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2016年7月11日月曜日

7月9日(土)京都きょうだい会例会の報告

参加者の構成(計13名)
性別:男性4名、女性9
年代:202名、304名、404名、501名、602
居住:京都7名、大阪3名、兵庫1名、奈良1名、滋賀1
参加回数:初めて5名、2回以上8

きょうだい中心に、親、支援者の立場の方にもご参加いただきました。

いつものように、「喫茶みどり」(京阪電車深草駅から徒歩1分)の会議室にて開催。




初参加の方から出た話題として、具体的には、

「知的障害のある兄弟姉妹が、一人暮らしや結婚、子どもを持つことを希望しているが、どこに頼って何をしたらいいのか分からない。きょうだいとしてどのように支えていけばいいのか。」という悩みや、

「養護学校を卒業してからずっと、知的障害のある兄弟姉妹の福祉サービスの利用が叶わず自宅で過ごすことが多い。ストレスを溜めやすく継続的に利用できないことが理由。悩みすぎてネットで検索することすらしんどく感じてしまう。」
といった話が語られました。


成年後見の話にもなりました。
仮にきょうだいが成年後見を担うとしても、その後の生活の想像がつかず、不安という声も。
実際に親族が成年後見を担うケースは少ない、という意見もありました。
このようなテーマの勉強会を、定例会とは別に設けることができるといいですね。


あと、親の立場の方から、「勝手な言い分だと認識しつつ、きょうだいの立場の子どもがいる場合は、障害のある子どもを支えてくれることをつい期待してしまう」といった話が出る一方で、
きょうだいの方から「親が動かない(or動けない)と、動けるきょうだいが結局動くことになる」という話が出ていて、
“親の期待に応えるきょうだい”の姿が浮き彫りになっているように感じました。
(親の意向とは関係なく、きょうだいの方が積極的に動いているケースもありますが)


ちなみに、「京都きょうだい会」や「しろくま会」(2030歳代のきょうだい会)では、兄弟姉妹の障害特性が「知的障害」である方の参加が比較的多いですが、今回も「精神障害」のきょうだいの方がおられました。
その方からは、「自閉症者のきょうだいの方のお話と私の体験が似ているところが多いように感じる」というご感想をいただいています。

また、今回は参加されていませんでしたが、過去には「(知的障害を伴わない)発達障害」「身体障害」のきょうだいの方も参加されています。
会では、障害特性を限定していません。


以下、今回の例会に参加された方の感想です。


≪≪初めて参加された方≫≫

●ありがとうございました。いろんな人の家族背景の話を聞いて、それだけで勝手に「そうぜつ」な人生に触れた気がしてショックを受けつつ、それだけたくさんのことを考えてこられた方ばかりなので、とてもいい話を聞かせていただきました。また、具体的・実質的な話も聞けて勉強になりました。

●いろんな立場の方のお話を聞けて、「障害者生活就労支援センター」のことを知れたりですとか、まだまだ自分の知らないことってたくさんあるんだろうなと思いました。自分が動いていくことで必要な情報が得られるのは自分にとっても兄にとってもメリットがあるかなと思いますので、これから参加できる時はぜひ参加していきたいと思いました。

●初めてきょうだい会に参加させていただき、今までは周囲の人と兄や障害のことについて話すことがなかなかなかったので、とても新鮮でした。話を聞いていても共感することや勉強になる話が多く参考になりました。
成年後見についてはどう考えているか両親に話を聞いてみようかと思いました。

●初めて参加しましたが、普段話せないことを安心して話したり、皆さんの話を聞くことができて、とても面白かったです。また時間が合えば参加したいです。
後見人の話と遺伝に関する話をもっと聞いてみたい。

●親の立場で参加しました。親の立場ときょうだいの立場で、悩みや抱える問題はいろいろ変わってくることは理解しながらも、直接お話をうかがえる場がなかったので、すごく勉強になりました。
親亡き後の障害の子とともに、きょうだいさんの人生・生活も共に考えられるようになっていきたいと思います。また参加させて頂きたいです。


≪2回以上参加されている方≫

●今日はいつもより重い話がなくて良かったのかな…と思います。家へ帰っても暗い気持ちにならずに済みそうです。
しかし、もっと辛い思いをしている方を救うのもこの会の役目かと思います。また、今回のようにこれからのことを前向きに考える会であって欲しいと思います。

●新人さんが多かった(こともあって?)、片寄りすぎないいい話し合いができたと思います。
AさんBさんの会話回しが達者ですね。CさんDさんだけでなく、回しが達者な人が多いと円滑ですね。
(※Aさん~Dさんは具体的な氏名でしたので、アルファベットで書き換えました。)

●息子から家の鍵を失くしたとの連絡が入り、途中で帰ってしまいましたので、最後までお話が聞けず残念に思っています。
今回の例会でいろいろなお話を聞かせていただきましたが、困ったことがあってもどうすればよいか、どこに相談にいけばよいかという「情報」にまずは辿り着けるような支援の必要性を痛感しました。
また、参加させていただきたいと思っています。よろしくお願いします。

●もっと現実的なサービス・支援の情報提供ができればいいなと思いました。

●相続について話し合いが欲しいです。いろいろな話が聞けて良かったです。

以上です。


次回の京都きょうだい会例会は9月10日(土)開催です。
9月17~18日(土日)には、でてこいランド1泊2日交流会が控えています。
(※ご関心がある方であれば、どなたでも参加OKです)

また、8月28日(日)に遺伝に関する勉強会、9月3日(土)には愛知でのイベントを控えています。
(※きょうだいの立場の方のみ参加OKです)

詳細は、ホームページをご覧ください。
皆様のご参加をお待ちしています!

2016年7月2日土曜日

6月26日(日)「障害児者のきょうだい」セミナー@大阪の報告

参加者の構成(計49名) ※事前申込者は54名でした。
性別:男性17名、女性32
年齢:206名、3012名、4013名、505名、6013
立場:きょうだい38名、親7名、その他(支援者など)11
(きょうだいでもあり親でもある等、複数の立場を持つ方もおられました)
居住:大阪25名、兵庫11名、京都7名、奈良2名、滋賀1名、三重1名、岡山1名、埼玉1


最初に、大阪きょうだい会の溝上よりご挨拶させて頂きました。




前半は、佛教大学の田中智子先生から、「きょうだいの立場から照射する障害者のいる家族の生活問題」というテーマでご講演頂きました。



後半は、6グループ(1グループ8名程度)に分かれ、講演の感想や意見を話し合いました。終了後、話し合われた内容について、各グループの代表の方からご報告いただき、全体で共有しました。



この時、司会進行を京都きょうだい会の松本が担当させて頂きました。
参加者の皆様のご協力により、スムーズに進行させて頂くことができました。

(ありがとうございました!)


最後に、アンケートの一部(10名分)をご紹介させて頂きます。
本当は全員分紹介させて頂きたいのですが、ブログの性質上、ごく一部しか紹介できないことをご了承頂けますと幸いです。

<<きょうだいの立場から>>

●今日は50人近くの方がひとつの部屋に集まったことで、たくさんの貴重なお話を聞くことができました。年代も立場も違う目線での意見を聞くことで、自分の中のもやもやが少しずつ少しずつ、ある方向へまとまっていくように感じました。特に、専門家の方のご意見、すでに経験をたくさんしてこられた方のご意見はとても参考になり、ためになりました。ありがとうございました。

●講演のみの参加でしたが、障害者の家族は、①母親が就労しづらいため貧困率が高いとか、②子育て期が長く母子分離がしづらいとか、初めて聴くお話しもたくさんあり、とても勉強になりました。
きょうだいの立場から感じてきた障害者の家族のしんどさをまずは分析し、何が必要なのかを考えていこうと改めて感じました。

●今回、初めて参加させていただきました。きょうだいのことを取り上げてセミナーを開かれているというだけで、うれしい気持ちで参加しました。客観的に見ると、依存の問題やダブル介護の問題等、年代によって違うけれど、共通点が多いように思いました。自分だけではないという安心と、情報を得るよい機会だと思います。また参加させていただきたいと思います。

●見過ごしてきたこと、見過ごそうとしてきたこと、心の中の不安、不満、挫折、自分が机の上に並べられたように思います。決してイヤな気持ちではなく、整理するきっかけになり、取り戻すだけでなく、今を大切にしたいと思います。
とてもよい時間でした。家族のかたちは色々ですが、まとめて下さった田中先生ありがとうございました。

●貧困の問題は関心の高いところでしたが、従来のきょうだいの会でも大きくは取上げられなかった。(プライバシーの問題もあったと思いますが)明確に説明して頂いて、本当によかったと思います。
私自身はきょうだいですが、既にケアと経済的負担を引き継いでおり、しかし現実にはその困難を相談するところもなかなかありません。
親でさえ社会ネットワークから取り残されると血迷うこともあり、それをきょうだいであれば平常心で取り組めるということは決してなく、むしろ(一時的にせよ、永続的にせよ)負担が増幅すると扱える側面もあっていいのでは。

●セミナーの企画、実施ありがとうございました。久しぶりにのぞいたHPで今回のことを知り参加いたしました。仕事も発達支援ということもあり、勉強になると思いました。
田中先生からの講演で、少し家族の役割(社会から与えられたもの)がわかり、知らない間に、私もその役割の中にいようとしてたんだなぁと思いました。不思議ですが、私だけが持つ感覚ではないとわかって安心しました。討論でも色々なはなしをきくことができてよかったです。また、このような機会が設けられることを期待しています。ありがとうございました。


<<親の立場から>>

●初めて参加させていただきました。田中先生のお話をうかがって現状を知り、頭の中が整理されました。交流会でも他の方々の話を聞くことができてプラスになりました。子供の兄弟関係について心配があるのですが、親亡き後、どうしていったらよいかを考えていくうえで参考にさせていただきます。ありがとうございました。

●今日はいろいろとありがとうございました。親として参加し、どちらかというとオブザーバー的な立場であるのに参加者のみなさんの発言する時間を使わせてもらうことになり反省です。親としては子ども(障害のないきょうだい)になんでも話すことで〝障害者のきょうだい〟であることへのイメージを伝えるようにしていますが、正直どれくらいの負担になっているのか確認したことがありません。親の思いのおしつけにならないように、きょうだい(子)の気持ちをしっかり理解できるように・・・していかなければと思いました。
きょうだいの人の思いを聞くことはほとんどありません。(同じ親としては機会多いのですが) また、兄弟にスポットをあてたセミナーもほとんどありません。きょうだい会のことも、今回の件で初めて知りました。もっと勉強していかなければ・・・。先生の話もいいシゲキになりました。ありがとうございました。


<<支援者の立場から>>

●児童デイ(発達支援、放課後デイ)で管理者等しています。また、同時に居宅介護もしている事業所です。今日は利用者さんの兄弟、家族の問題に対する答えがほしくて参加しました。そのことへの直接的な答えはまだ見つかりませんが、デイの役割を改めて考えることができました。また、田中先生のお話で、たくさんのことを考えることができました。
きょうだい会の存在も身近に知り、今後また相談などさせていただければ嬉しいです。今日はありがとうございました。

●○○市の特別支援学校でセンター機能としての「教育支援センター」にて相談を受けております。本日は、親の方、兄弟の方の生の声を聞き、今後の相談に生かせていけたらと思って寄せてもらいました。
障害と貧困のお話は現実的なお話でした。経済的な面、世帯人数、分離に至るまで、やはり一般とは違う動きになる現実を知りました。
後半の分散会では、当事者の兄弟さんの方ばかりで色々なお考えを聞くことができました。障害のある兄弟さんを自然に受け入れておられる姿など、本当に素晴らしいと思いました。又、それと同時に、知らず知らずに、自分がその兄弟をみるであるとか、自分は親に迷惑をかけないであるとか、決意があるのだろうと感じました。
私の兄弟に障害者がいる訳ではありませんが、このような兄弟会に参加する事は、自分を振り返る機会となり、今後の支援活動に活かせると実感しました。又、このような会に参加させてもらおうと思います。ありがとうございました。

・・・以上です。


後半のグループ別の話し合いの時間が短かったというご感想も多く頂きました。
続きは各地のきょうだい会定例会にて、一緒にお話できると嬉しいです。

今後の講演テーマに関する要望としては、
「親なき後」「年金」「家族信託」「高齢知的障害者」「介護」「田舎での話(法整備や施設が少ない等の問題がある場合)」「法律が今後どう変わっていくのか」等が挙げられていました。

「地方でも例会がほしいと改めて思いました。お力をお貸しいただければ幸いです」というお声もありました。

きょうだい会も可能な範囲で、皆様にご協力させて頂きます。
また、それぞれのお立場から、きょうだいにお力添え頂けますと幸いです。

今後とも「きょうだい会」をよろしくお願いします!

6月18日(土)NHKハートフォーラム「親なきあとも自閉症の人たちが豊かな生活をおくるために」の報告

当日は730名ほどの参加者がおられたそうです!

普段きょうだい会の定例会に来て下さっている方も多く参加されていたみたいです。

(個人的には8名の方とお会いしました。会場が広いうえ人数が多すぎたから気づかなかっただけで、他にももっと知り合いがおられたかも…)


会場内は撮影禁止だったので、写真はチラシ↓と、



会場入口の立看板↓です。



志賀利一氏からは「自閉症の人たちの健やかな生活を支えるために~成人から高齢者まで~」、
鹿野佐代子氏からは「親亡き後のライフプラン~親が元気なうちにやっておける手続きと金銭管理~」というテーマでのご講演がありました。

後半のシンポジウム「親なきあとも自閉症の人たちが豊かな生活をおくるために~それぞれの立場から~」では、当会の副代表の糸井も登壇させて頂きました。

今回のシンポジウムを機に、きょうだいの気持ちに寄り添って下さる方が増えることを願います。