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2017年11月12日日曜日

11月11日(土)京都きょうだい会例会の報告

参加者の構成(計15名)
性別:男性6名、女性9
年代:203名(全員学生)、304名、405名、603
居住:京都7名、大阪3名、滋賀3名、兵庫1名、鳥取1
参加回数:初めて6名、2回以上9



今回は、きょうだいの立場の方だけでなく、親の立場の方や、(いつも参加して下さっていますが)スクールカウンセラーや病院のカウンセラーの方などもおられました。
いつもより、初参加の方が多い集まりになりました。


こんな話題が挙がっていました。


◆親なき後

親と「親なき後」の話し合いが進まない、という話には、参加者の感想の中でも共感の声が多く挙がっていました。

具体的には・・・

・親も障害のある兄弟姉妹も年齢を重ねているのに、「(グループホーム等は)まだ大丈夫」の一点張り。現実を見ることを拒絶している。
・夫から「正直、(義理の)兄弟姉妹のことまでは看れない」と言われている。
・きょうだい自身、自分の生活(子育て等)に精一杯。経済的にも障害のある兄弟姉妹を看る余裕はない。
・同じ県内に住んでいても、「もっと近所に住んで欲しかった」と言われてしまう。

といった体験談が話されていました。


一方で、実際に親なき後を迎えたが、兄弟姉妹のサポートを行うことは当たり前だと考えていて、そのことに対しても特に嫌な気持ちは持っていない、というきょうだいの方も参加されていました。


また、一時期は自分(きょうだい)が離婚して障害のある兄弟姉妹を引き取るべきか、というところまで追い詰められた、というきょうだいの方もおられました。


子どもの頃から、障害のある兄弟姉妹だけが可愛がられて、自分(きょうだい)は虐待を受けていた。それなのに、親なき後を考えなければいけない現状がしんどい、という思いを持ったきょうだいもおられました。


◆「親なき後問題」を解決するヒント

・親に何を言っても「のれんに腕押し」で、何の進展も期待できない場合、きょうだいと一緒に解決してくれる身近な相談機関と繋がる。
・相談員によっては、相談日を、親ときょうだいを別々の日に設定してくれるケースもある。
(目の前で親ときょうだいの喧嘩が始まり、話が進まないケースがあるから)
・親に対して、「手伝うよ」というスタンスで関わる。

きょうだいの立場を踏まえると、受け入れがたいと感じたり、心配なこともあったりしますが・・・。


◆親の立場からみた「障害のある子どもの子育て観」「きょうだい」

親の会の方が親御さんたちを客観的に分析されていて、そのお話も興味深かったです。

・親の世代にもよるが、子育てが親の生きがいになっていて、子育てを取り上げられたくない、という思いを持っている場合がある。
特に、趣味や仕事を持っていない親御さんは、自分のすることがなくなってしまうことを恐れる場合がある。

・障害のある子どもがグループホームで暮らしている場合でも、「土日に帰ってきてくれるのが楽しみ」と話す親御さんは、子離れができていないかもしれない。
「平日のグループホームの暮らしに慣れて、成長してくれて嬉しい」という感想が出てきて欲しいところ。

・きょうだいの立場の子どももいると、親の自分がいなくなっても何とかしてくれるだろうという、「きょうだいの存在が保険」という潜在意識を持っている場合がある。


◆きょうだい支援団体立ち上げの壁

法人化している親の会のなかで、新たにきょうだい会を発足する場合、約款にきょうだいについて言及されていない時は約款の変更から始めなければならないが、理事会などを経なければいけないため変更に1年以上かかることもあり、発足の壁になっているという話が挙がっていました。

きょうだい支援グループを増やしたいという思いがあっても、こういうことが壁になるケースもあるのですね。。


・・・などなど、様々な話題が挙がっていました。


以下、参加者の方に書いて頂いた感想です。個人名・団体名は伏せています。

●声が出なくて自分の事は話せませんでしたが、いろんな立場のきょうだいが沢山いて、私みたいに兄弟の事で悩んでいるのは他にもいるんだと、光を見た気分です。
とても価値のある時間でした。来て良かったです。
○○さんの立場が、私が妹という違いがあるものの、ほぼ同じだったので、とても共感できました。ありがとうございました。

●非常に多岐に渡る方が一同に会し、様々な背景・立場から様々なお話を聞くことができ、今後の人生に於いて一つの参考となりました。
このように、多数の人が集まって活発なきょうだい会が初めてで、非常に新鮮でした。

●本日はありがとうございました。
親の立場として、福祉事業所の職員として、様々な悩みや問題があることを再認識いたしました。
今の若いお母さん方は、こういった「きょうだい」さんが自分ファーストになれない状態にならないか?ということに、とても心配なさりながらお子さんを育てておられます。
でも、日常はあわただしく日々がすぎ…という方が多いです。
また、色々情報交換等させていただきたいです。

●今日は、とても重要な時間をありがとうございました。
「親の目」という面からは自分の立場ですが、きょうだいの方の思い、切実な所も聴けて良かったです。
今後もスケジュールが合えば是非参加させてください。

●親亡き後の問題などについて、親の視点ときょうだいの視点を交えてお聞きすることができて、とても勉強になりました。
今まで本を読む中で知った頭の中だけでの知識と、今日、実際にお話をきくことで得たことが合致する点や新たに知ることができたことなど、学ぶことができました。
ありがとうございました。

●○○(親の会)の方はとても興味深い話をして下さいました。
ありがとうございます。
①本人の面倒②親の対応は、2つ大切な課題を抱えている。
「先の苦労、後の楽」というお話はとても印象に残りました。
きょうだいは「保険」と思われているんですね。何だか涙が出てしまいます。

●グループホームに入ることについて具体的なことを聞けてよかったです。
自分ととてもよくにている環境(親が死んだ後に妹をどうするかが話として進まないなど)の方もいて、自分の悩みがきょうだいとしてよくあることだと認識できたことも気持ちが楽になりました。

●グループホームのことがとてもよくわかりました。
これから、どうすればよいのか参考になりました。
ありがとうございました。

●きょうだいが「親なきあと」に備え、どのように取り組んでいけばよいかについてのヒントを沢山得ることができました。
もっと深く学んでいきたいと思います。

●○○(親の会)の方がきて、親亡き後問題を抱えた方にとってはとても良い話が聞けたのではと思います。良かったなと。
でも、人がこれだけ多くなると自己紹介に時間を取られますね。
そこで経験を語りすぎたりするので…。

●今日は新しい方達の参加がたくさんあり、色々な話が聞けて良かったです。
フリートークタイムの充実、席替えなどあったら良いと思います。

●皆さんのお話を聞いて、時代の変化も感じましたが、同時に大変勉強になりました。

●○○(親の会)からの参加者のお話が目からうろこでした。
きょうだいだけでなく、色んな立場の人が参加できる京都のよさだと思いました。
またお話をききたいと思いました。
ただ、きょうだいの方のお話がなかなかできなかったのが惜しまれます。


※例会で話される内容は、参加メンバーによって異なります。
お時間がある時に、過去のブログ記事も遡ってご覧頂けますと幸いです。


★★★
京都きょうだい会・しろくま会 今後の予定
1216日(土)しろくま会(2030代のきょうだい会)カフェ
1216日(土)障害者のきょうだいを対象とした「遺伝」に関する勉強会
113日(土)京都きょうだい会 新年会

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。
★★★

9月30日(土)しろくま会(20~30代のきょうだい会)カフェの報告

参加者の構成(計10名)
性別:男性2名、女性8
年代:205名(学生2名)、305
居住:京都6名、兵庫3名、滋賀1
参加回数:初めて3名、2回以上7

※カフェには8名が参加。そのうち3名が続けて2次会にも参加されました。
2次会から新たに2名が合流し、計5名で遅くまで盛り上がりました。

今回は「こなな 四条店」を利用させて頂きました。
ランチをした方もカフェをした方も、両方おられました。





4人ずつのグループで、1時間毎の席替えを2回行ないました(計3時間)ので、全員とお話して頂けたかなと思います。

出てきた話題はグループによって異なると思いますが、例えば、職業選択(今回出たのは「福祉系の職業を選んだけれど、兄弟姉妹のために選んだわけではない」という意見等)や、親なき後恋愛・結婚の話題などを共有しました。


あと、障害のある兄弟姉妹が市バスの中で奇声をあげたことで、警察を呼ばれてしまったことが悲しかったが、別の日にまた通報されそうになった時、兄弟のことを知ってくれている運転手さんが「この人は大丈夫だから」と庇ってくれた、という話も出ていました。

・・・他にも、様々な話題を共有しました。




2次会では、
「自分の子どもが産まれた場合、障害(のある兄弟姉妹)をどのように理解して欲しいか」という話題も挙がっていました。

「子どもを持つことについて、自分の生まれ育った環境しか分からないから子育てすることに対して不安がある」といったきょうだいの相談に対して、

子育て中の先輩きょうだいさん(きょうだいとしても様々な修羅場を経験されてきた方)から、夫から意見を聞いたり、「子育て講座」といった地域の勉強会に参加して学んでいるというお話を聴かせていただきました。

自分の家庭環境によって子育てに自信がないことについては、補う手段があり、諦めなくてもいいのかもしれないなと励まされました。

(もちろん、子どもを持たないという選択をされたきょうだい、選択せざるを得なかったきょうだいの方もいらっしゃると思います。その方々の思いも尊重されるべきで、考え方に何らかの正解があるわけではないと思います)


あと、2人以上子どもがいらっしゃるきょうだいさんで、自身のきょうだい関係が良好でなかった場合、
自身の子ども同士のきょうだい関係について、どのような思いを持って子育てされているのだろうかと、ふと気になったりしました。


以下、カフェの参加者の方に書いて頂いた感想です。
印象に残った話題を中心にまとめて頂きました。

●今回初めてしろくま会に参加させてもらいました。きょうだいという立場でも、住んでいる家庭環境で、全然、障害をもっているきょうだいへの対応法が違っているんだと気づきました。
お話しさせていただいて、良かったです。また参加させてもらいたいと思います。

●色々な考えをお持ちの方々とお話ができて、参考になりました。
恋愛において、単に付き合っているときにはあまり話題に出なくても、結婚となると、兄弟のことがテーブルに挙がるんだなと思い、兄弟に理解のある方と結婚したいなと思いました。

●今日は、結婚や、パートナーに兄弟のことをカミングアウトして、フラれてしまうという実例をかなりの数聞いて、怖くなりました。今後考えないといけないものだとは思っていましたが、フラれる事例があんなに多いとは・・・。
今回はそれが一番印象深いです。

●結婚の話や子育ての話が印象に残りました。私自身が結婚してないのと、子育てもしていないので、将来の自分の姿を考える上で参考になりました。なかなか、近くにそうした立場の人がいないので、今日は貴重な経験ができたなと思います。
きょうだいでも、育った環境で、随分と考えや意見が違うのだなと、当たり前なんですが、改めて思いました。

●きょうだいの今現状の生活について話したことと、きょうだいと共に生きることを考えました。将来の介護や親との関係など、今は問題ではないこともシビアに聞けました。やはりきょうだいなくしての私の人生はないのだなぁと思いました。
色々話せて良かった部分と、将来の現実をつきつめられた感じでした。

●きょうだいは、障がいのあるきょうだいの自立を考えていくけれど、親御さんとの対立は避けられないのかなと思いました。

●今日は、参加させて頂きありがとうございました。
色々な方とお話しさせていただいて、得ることも多かったです。
印象に残ったのは、自分も兄弟も頑張っているということです。
また、このような機会がありましたら、是非参加させて頂きたいです。


※しろくま会で話される内容は、参加メンバーによって異なります。
お時間がある時に、過去のブログ記事も遡ってご覧頂けますと幸いです。


★★★
京都きょうだい会・しろくま会 今後の予定
1216日(土)しろくま会(2030代のきょうだい会)カフェ
1216日(土)障害者のきょうだいを対象とした「遺伝」に関する勉強会
113日(土)京都きょうだい会 新年会

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。
★★★

2017年9月28日木曜日

9月9~10日(土日)京都でてこいランド1泊2日交流会の報告

京都きょうだい会副代表の糸井さんが執筆された記事をご紹介します。





今年で18回目です。群馬・東京・神奈川・静岡・石川・京都・兵庫の各地から、日帰りの方も含め20人の方々が参加して下さいました。毎年、京都きょうだい会では全国のきょうだいに呼びかけ、京都府の山里にある「出てこいランド」(宿泊施設)で一泊交流会を開催しています。日常生活から離れ、きょうだいの原点を見つめ直す良い機会となっています。




初日は夕方からスタート。地域ごとの自己紹介から始まり、その後は近くに座った人との思い思いの交流が始まります。初対面の方とは初めのうちは少し緊張もしますが、きょうだいとしての共通体験があるので、前置き無く話がはずんでしまうのは不思議です。ヤングケアラーの問題に関心を持つ放送局関係の方の参加もあり、夜遅くまで話し声が絶えませんでした。




2日目は7時前からみんなで手分けして、シーツの洗濯や風呂掃除、ゴミの片付けや朝食を済ませた後、9時過ぎから12時まで、小グループに分かれてのディスカッションです。テーマを募り、「厄年に起こった出来事(きょうだい自身も、家族も)」と「きょうだい会以外の自分の居場所(支えになった人・モノ)」の2グループに分かれて意見交換しました。テーマをあえて設定すると、1人ひとりの背景が見えて来て、会話も深まりました。





2日間ふりかえるとあっという間に過ぎましたが、
「自分らしさを大切にすること」
「辛い時に相談出来る人を多く持てる大切さ」
「居場所を持てることの大切さ」
などを考える良い機会となりました。「もちろんきょうだい会についても、そのような居場所のひとつにして行ければ」と思いました。

また、若い世代も交えて「きょうだい会の運営のあり方」についても議論が出来たことは大きな収穫だったと思います。



参加者それぞれのまとめがあると思います。感想を多く頂いていますので紹介しておきます。今後の運営の参考にしたいと思います。


●今年は人数的に少ない会でしたが、逆にそれぞれの顔を見て、ゆっくり、じっくり話ができたと思います。現在の自分の悩み(親の認知症など)も聞いてもらい、少し楽になった気がします。(60代男性)

●少人数で、きょうだいのことだけでなく、いろいろ話せたので、参加者それぞれの個性も知り合えたのが、よかったと思います。夜の話し合い(?)や2日目のテーマ別話し合いでは、テーマから始まって、自分にとっての「きょうだいの重さ」が語られ、自分が気づいていない視点を知ることができたと思うとともに、「親の存在」が大きく影響していること、それ故に、親の会にそういうきょうだいの気持ちや親に求めることを伝えることが必要だと思いました。(60代男性)

●2回目の参加となりますが、夜更けまで時間を気にせず話すことができる貴重な機会と思っています。きょうだい会は、自分のきょうだいのことを「自発的に」話すことができる、私にとっては唯一の場です。この場は大切にしつつ、他の居場所ともバランスをとって生活することが重要と考えています。(40代男性)

●変わらない雰囲気で楽しめました。また、機会があれば参加したいと思います。
(飲み過ぎました。2日酔いです。)まだ、リアルに感じられない課題があるんだろうと、再認識できた気がします。(弟が、もし入院するような事態になったら・・・とか)
30代男性)

●準備等、ありがとうございました。きょうだい会以外の自分の居場所について、お話させて頂きました。障害のある弟を切り離した、個人の自分とは一体何者なのか、考え込んでしまいました。(30代女性)

●初めて出てこいランドに参加させていただきました。時間を気にせず、いろいろな話をじっくり出来て良かったです。2日目の居場所の話をしていて、きょうだい会が自分にとって、一つの大きな居場所であり、ここがあるから、安心して自分は普段の生活で好きなことが出来るのだと思います。また、会える日を楽しみにしています。(30代女性)

●今年も初めてお会いする方々から、いろいろなお話を伺うことができました。聴いていて、なんとなく自分の中でモヤモヤした気持ちが沸き上がってくることが多く、なかなかうまく言語化できずにいて、少し消化不良のまま終わってしまいましたが、それについて考える(ぼんやりとですが)ことが、今の私の課題かなと思いました。こうした刺激を受けられることも、きょうだい会の魅力だと思います。今後も自分のペースで、できる限り参加できたらと思います。(20代女性)

●きょうだい会での話し合いのルールについての議論が印象に残っています。普段の例会では時間も限られているので、自分も言いたいことを正確に表す言葉が見つからないことが多いです。相手のことをよく知らないままに踏み込んだ話もするので、自分と違うところが引っかかってもまずは共有できるところから繋がっていかないと、誤解やすれ違いになってしまうのかなと思いました。きょうだいのこととは全く関係ないことで、好みの芸能人の話など、よりきょうだい会の皆さんの素顔に迫れたようで、そのようなラフな話もとても楽しかったです。(20代男性)

●2日間もきょうだいの話ができるのかと思いましたが、わりとできました!というか、個人的にひっかかってることが普段ないので、ネタ切れでキツイこともあるんですが、例会の持ち方につき、どうすればよいかモヤモヤしてたものもあるので、話せてよかったです。でも私はきょうだい会にいると、まだ浮いているような気がして・・・。そういった話も、もう少したてば、自分の中でまとまるかなと思っています。(20代女性)
             
以上です。なお、当日のディスカッションで言えなかったことや、後日感想や意見を思いつかれた方がおられましたら、メールか郵送でお送り下さるとうれしいです。
最後に準備や片付けなどで、参加された方にはいろいろとお力を頂き、良い交流会が持てたことを感謝しています。


★★★

京都きょうだい会・しろくま会 今後の予定

* 930日(土)しろくま会(2030代のきょうだい会)カフェ
1111日(土)京都きょうだい会例会
1216日(土)障害者のきょうだいを対象とした「遺伝」に関する勉強会

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。


★★★

2017年9月13日水曜日

7月2日(日)第2回障害児者のきょうだいセミナー@大阪のアンケート

セミナー終了後のアンケートには、計68名の方にご協力いただきました。
ありがとうございました。

分量が多いため、全てをご紹介することは難しいのですが、一部ご紹介させて頂きます。


<講演会に関する感想・意見>

松本さんの実体験、支援活動のエピソードを話していただき参考になりました。自身のきょうだい会にも還元していきたいと思います。また過去の自分を振り返るいい機会になりました。【20代男性きょうだい】

講演を聞いて、きょうだいが抱えている思い、悩みは本当に様々だなと感じました。
また、親からの「あなただけが頼りなのよ」とか「あなたは何も気にしなくていいからね」という一言には、親としては何気なく言った言葉だとしても、言われたきょうだいにとっては救いにもプレッシャーにもなるセリフだと思いました。実際に、自分も何かのタイミングで時々親から言われているので、とても共感しました。【20代女性きょうだい】

きょうだいとしての葛藤や苦悩など、今すでに忘れてしまっている感覚をいくつか思い出すきっかけになりました。今は乗りこえられた壁もありますが、苦しんでいた当時に何か頼る場所、想いをはき出す場所があったら、また違っていたかもしれないと感じました。
また、この講演聴講者に親の立場が多いことに嬉しく思いました。【20代女性きょうだい】

私は小学校の頃、地元のきょうだい会に参加しており、大学生になったらきょうだい会に参加しようとずっと思っていました。
しかし、いざ参加しようと思って申し込むと、当日に行くのがしんどくなってきてしまい、行けない…というのを4年間繰り返してきてしまいました。今やっと、自分のしんどさに向き合うことができてきて、今回参加することができました。
松本さんのお話をきいて、自分がこういうことに悩んできたのかも等色んな気づきを得ることができました。【20代女性きょうだい】

講師松本理沙さんのご自身の体験を交えたお話。分かりやすく、私自身と同じだと痛感しながら、聞かせていただきました。未だに友人へのカミングアウトの時期など、ゆれ動いています。【50代女性きょうだい】

「障害児者のきょうだいが持つ体験や思い」と題された講演は、何回聞いてもわかりやすいお話だと思いました。とりわけ、先日、保護者会でお話をした時、(障害のある兄弟姉妹がいて)「良かったことは何か?」と聞かれて言葉に詰まった経験から、P21の「誰もが肯定的に思えるわけではないし、思えなくてもきょうだいは何も悪くない。」というので救われました。【60代女性きょうだい】

きょうだいの話は、姉や妹、兄と弟の立場、異性の場合でもそれぞれ違うなと思いました。皆さんそれぞれ、親からのプレッシャーだったり、しんどい思いも聞いて、考える場となりました。自分と向き合う機会になり、よかったです。【40代女性きょうだい・母親】

とても分かりやすく、実生活ですぐに生かせる内容でありがたかったなぁと思いました。親としては、どの子も大切なのに変わりはないけれど、あらためて、きょうだいちゃんを大事にしてあげたいなあと。意識を3割増しぐらいにして接していくことが丁度良いくらいなのかしらと思います。その子どもの性分や気質を見極めて、より良い対応をしてやりたいと思いますが、これがまたなかなか難しいものです・・・。【40代母親】

きょうだいの立場から、実体験を交え、バランスよく構成されたお話を伺えたと思います。私自身が同じ障害を持つ子の親御さんに体験をお話したことがあり、当事者の立場から話すことの難しさ(何をどうどれ位伝える?)に悩んだものですが、松本さんもお仕事をされながら色々考え、こうした活動を続けておられるかと思っています。「伝え続ける」ということにはエネルギーが必要です。今日、講演を聞かれた方々から、また新たな伝わりやつながりが広がることを願ってやみません。そして、親の立場から、私も松本さんから伺った話をより良い形で伝えていけたらと考えています。ありがとうございました。【40代母親】

兄弟姉妹が思う気持ちと保護者が思う気持ちには、少し違いがあるのだとよくわかりました。良かれと思って声かけした事でも、本人の負担になっている事があるのだと知りました。これから、言葉を選んで接していく事も考えなければと思っています。【50代母親】

貴重なお話をありがとうございました。
“きょうだいの多様性”というところですごく考えさえられました。「きょうだいにとっての家族」がどういったものなのか、そこには障害のある家族がいるということが関係して、定義されることもあるかと思いますが、最終的には、父・母・子という制度の中での人と人(個人同士)の関係や関係のもち方を考えていく必要があるのかなと思いました。【20代女性支援者】


<分散会に関する感想・意見>

同世代のきょうだいさんの話を聞けて、自分と同じ考えが多く安心しました。20代でも先のことはまだ分からず、「なるようになる」と思っている方が多かったです。30代後半になると、自分の生活や家庭の考えなければならなくなり、少し焦りや不安が出てくるのかなぁと感じました。今後のため準備していけるよう制度やサービスについて知っていきたいと思いました。【20代女性きょうだい】

母が亡くなった後の悩みの大部分は、今まで以上に同世代には相談できなくなりました。その中で、こういう機会で様々な方と話せる時間は、私にとってとても大切なものとなっています。
毎回初対面の方とでも、とても満足度の高い内容となるこのような分科会は、これからも続けてほしいと思います。【20代女性きょうだい】

私は親から「気にせず自由に生きたら良い」と言われてきました。しかし、実際のところ、親亡き後が心配で…
もやもやしているより、どのような制度があるのか等自分なりに知りたく来ました。あらゆる立場の方々のご意見や司法書士さんのお話が聞け、とても貴重な場でありがとうございました。【20代女性きょうだい】

ポジティブは内容もありながらもネガティブな現状が多いと思った。自分自身、きょうだいの立場であるが、さほど辛い体験をしてこなかったので、違和感も覚えるし、大げさじゃないか、とも感じた。他のきょうだいの話を聞くほど、自分の感覚との乖離を感じた。【20代女性きょうだい】

似たような立場の方、似ているようで違う立場の方といろいろお話できて、貴重な機会となりました。ありがとうございました。ネガティブともとれる内容のことを話されている方もいる中で、自分にそこが今の時点であまりないというのがどういうことなのか、抑圧しているのか、それとも本当にないのかじっくり考えていきたいと感じました。今のところ“抑えている抑えている”と言われると“そんなことない”と反発したくなる自分がいます…【20代男性きょうだい】

皆様の貴重なお話を聞かせていただき、今まで向き合わずに来た今後、今までについて親と話をしてみようと思いました。年齢に関わらず、皆様、きょうだいの影響を受けていらっしゃるし、がまんされたり、できる限りと思って関わっていらっしゃるものの「少しずつ無理なく、自分が選んで」きょうだいと関わるのでいいのだと思った。【30代女性きょうだい】

発言の中で「親は敵でもあった」というものがあり、以前勤めていた時、利用者家族とのことを思い出しました。きょうだいと親はやはり考え方が違う、ということの表れであり、家族も変わっていく必要はあるな、と改めて思いました。【30代男性きょうだい】

本当に色々な意見があり、ためになりました。理想と現実・・・親の思いをどう自分のより納得のいく形にしていくか、きょうだい本人の幸せも。課題は山積みですが、とても良い話し合いができました。「いやでも、何かしら動かねば、何も始まらない。」という言葉が印象的でした。【40代女性きょうだい】

親との向き合い方で、いろいろな意見が聞けて良かったです。自分の生活、人生とどうおり合わせていくか、悩みが深かったですが、みなさんも同じように悩んでいて、私一人ではないと、心が少し軽くなりました。初対面でしたが、気軽に話すことができ、きょうだい会の良さを実感しました。また、参加したいです。【50代女性きょうだい】

親の立場から様々なご意見伺えてとても参考になりました。どんなにがんばっても、親の私はきょうだいにはなれません。なれませんが、「きょうだい」という枠に勝手にこどもをはめこみすぎず、なおかつ、必要なことを手配(準備)してあげたいといつも思っています。最後はやっぱり涙出ちゃいました。まだまだ色々あるでしょうから、家族や仲間とがんばりたいです!本日はありがとうございました。【40代母親】

様々な立場・年齢の方々と、意見交換できて良かったです。(定年後の障がい者の居場所がなく、きょうだいさんが困っていることなど)きょうだいさんの悩みを知ることで、親の考え方も変わると思います。障がいを持っている子供はなるべく、どんどん地域社会に出ていき、知ってもらい、地域の中で居場所を作るべきだと改めて感じました。【40代父親】

素直な気持ちをそれぞれ発しておられてとてもすばらしい場だなと感心しました。「ケアラー」という言葉も初めて知りました。ありがとうございます。【40代女性支援者】


以上です。


取り上げて欲しいテーマ・企画についてのご要望に対しても、様々なご意見を頂きました。今後の参考にさせて頂きます。


ご協力ありがとうございました!

2017年9月9日土曜日

9月2日(土)京都きょうだい会例会の報告

参加者の構成(計10名)
性別:男性4名、女性6
年代:202名(学生)、302名、402名、501名、602名、701
居住:京都7名、大阪1名、兵庫1名、滋賀1名、
参加回数:2回以上10




今回は、珍しく初参加の方がいない例会でした。

挙がっていた話題の一部をご紹介させて頂きます。
(個人が特定されない範囲内で書いています)


◆差し迫ってきた「親亡きあと」

あるきょうだいの話。
もうすぐ90代になる母親と障害のあるご兄弟が二人暮らしだが、グループホームの空きがなかなか見つからない。
応募した時は、書類選考の段階で落とされてしまった、とのこと。

真実は分かりませんが、きょうだいの自宅と実家の距離が近いという理由で、緊急性がないと(誤って)判断されているのかもしれない、とのことでした。

今回の例会では、今まで相談してきた機関に何回も相談して緊急性を訴えたり、障害者地域生活支援センター等、他の相談先を増やす必要性について、改めて共有しました。

「きょうだいの自分が近くに住んでいるからサポートしなければいけないと思い込んでいたが、きょうだいも自分の生活があるため、できることには限りがある。障害のある兄弟の将来のことを考えると、福祉サービスに慣れていってもらうことも大切だよね」というお話もありました。

また、グループホームを立ち上げることも検討したが、スプリンクラーの設置等ハードルが高く、難しかったという話も挙がっていました。


◆親御さんが与えるきょうだい(会)への影響

きょうだい会の立ち上げに親の会が関わっている場合に、
親御さんの都合の良いように誘導されていたり、親御さんに聞かせていいことしか話せないきょうだい会になってしまうのは怖いよね、という話になりました。

また、親御さんの立場の方とお話させて頂いたときに、
「いやー、気を遣って近くに住まなくていいと今まで言ってきたのに、住んでくれているのですよねー(嬉しそうな表情を浮かべながら)」

といった会話に何回も遭遇しています。。

きょうだいの中には、“空気を読んで”(という表現が適切か分かりませんが)、自身の生活を選択されている方も、中にはおられるのではないかなと思いました。
(もちろん、自ら進んでサポートしたいと考えておられるきょうだいの方もいらっしゃると思います)


◆障害のある兄弟姉妹とともに歩む/歩まない

障害のあるご兄弟が好きで、積極的にサポートしていきたいと考えているきょうだいの方から、

「世間では、障害者をネガティブに捉えている人が多いため、きょうだいの“障害のある兄弟のことは嫌いで、面倒を看たくない”という思いは理解されやすいのではないか。どちらかと言うと、自分の方が理解してもらえていないと感じる。きょうだい支援界隈では、ポジティブなことを言おうとすると、“それは言わないでくれ”と思われる風潮があるように感じる。」

という問いかけがありました。

これに対しては、
障害の有無に関わらず、家族の世話をしたくないと堂々と宣言することは受け入れられていない現状があることや、
一部の親御さんや福祉職など、障害者本人の利益を最優先に考えている人たちの中には、
障害者本人に好意的で、積極的にサポートしたいという思いのあるきょうだいの方が、その人たちにとって“都合が良い”と思われているから、そういう人たちに対しては話しにくいということもあるのではないか、といった話にもなりました。

一方で、あるきょうだいの方は、福祉職の方から「きょうだいがそんなに抱え込まなくてもいいのではないか」という意見を聞き、きょうだいに対して理解があったことに衝撃を受けた、というお話もありました。

・・・などなど、様々な体験や思いが共有されました。


以下、参加者の方に書いて頂いた感想です。

20年ぶり?に伺いました。
みどり周辺も様変わりしていて、なつかしい例会でした。
母が高齢で体調を崩したこともあり、これからの兄の生活を考えています。
いろいろなお話が聞けて、またこれからも参加していきたので、よろしくお願いします。

●なつかしい久々の「きょうだい」の参加がまずうれしかった。
その「きょうだい」の悩みを聞いていくを中心とした今日の例会は、かなり「深い」内容と感じられました。
「共に生きない<きょうだい>」がいてもいいのでは、いう考えは、改めて「新鮮」に感じられました。

●当然のように思っていた「ともに歩む兄弟姉妹の会」という名称。
そのことに抵抗感を感じるきょうだいがいることに深くさせられています。
しかし、それは私自身の中にもあるんだと思いしらされています。
今後さらにきょうだいの関係というものを考えていきたいと思います。

●家族をめぐる話は、どうしても深刻になりますね・・・。
それでも、家族(障害者)とともに歩む、歩まないは、きょうだい自身が自由に選べるようになっていて欲しいと思います。
家族と距離をおくことが、もっとライトに語り合えるといいなぁと感じてます。

●ともに歩むとか、ともに歩まないかのまた別で、“きょうだいのことマジでどっちでもいい”派は少数派なんでしょうか?
むしろ、この会で言えないきょうだいにまつわる気持ちが増えていって自分自身驚いているし、自分も、この会も、なんて面白い(興味深い)んだろうと思ってます。

●「共に生きる」と「共にいきない」とを両方を考えることは大変イミがあった。

●今日の「共に歩まない」「共に生きない」という考え方についての話は大変興味深かった。そう考える方は、実は、共に歩む、あるいはきょうだいについてたくさん深く考えているのではないかと思います。
そのエネルギー、力の強さに感心いたします。

●自分がまだ危機感を持っていない問題もたくさんあって、自分はまだまだ人生をなめているなあと思いました。

●経験していること、経験してきたこと、見ているもの、見てきたものがそれぞれ違ってぶつかることもありますが、今回感じたザワつきから、自分の考えを整理していこうと思いました。


※例会で話される内容は、参加メンバーによって異なります。
お時間がある時に、過去のブログ記事も遡ってご覧頂けますと幸いです。


★★★

京都きょうだい会・しろくま会 今後の予定
9910日(土日)京都でてこいランド12日交流会
930日(土)しろくま会(2030代のきょうだい会)カフェ
1111日(土)京都きょうだい会例会

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。


★★★

7月2日(日)第2回障害児者のきょうだいセミナー@大阪の報告

729日(土)に、実行委員会のメンバーで事後検討会を行ないました。
そちらの内容も踏まえて、ご報告させて頂きます。


●事前申込者(81名)の概況


セミナー当日は、74名+当日申込者5名、計79名の参加がありました。

当日申込者5名の内訳は、
大阪2名・東京2名・京都1名、男1名・女4名、2060代各1名、姉1名・母親2名・父親1名・そのほか1名でした。

多くの皆さまにご参加頂き、ありがとうございました!!


●当日のタイムスケジュール




●第1部 講演会



当会の松本より、きょうだいの共通性と多様性、親ときょうだいの違い、きょうだい会の役割等について、お話させて頂きました。


●情報提供

当日はスペシャルゲストとして、日本相続知財センター京都支部理事の鎌田諭さまにお越し頂き、『親心の記録』についてご説明頂きました。


●第2部 分散会


分散会は、1グループ813名の規模で行われました。

以下の内容は、実行委員会メンバーのOさんが、『つくし』(全国きょうだいの会会報誌)の原稿としてまとめて下さった文章から、一部引用させて頂きます。


◆きょうだい会のつくり方

実際にきょうだい会を運営している実行委員会のメンバーがグループに入り、きょうだいの会の活動紹介や関わってきたきょうだいの会の歴史の話をしました。グループの参加者のなかには、中国地方できょうだいの会をつくりたい、という方もいらっしゃいました。これから、きょうだいの会の輪が少しずつ広がると良いなと思います。
 
◆成年後見・福祉制度

制度に詳しいメンバーがグループに入り、成年後見・福祉制度の話から、制度を使うことのメリット・デメリットについて話しました。制度を使っているから大丈夫、というわけではなく、まだまだ整備ができていない制度があるという話もしました。

◆支援者からの想い

きょうだい・親という立場であり、支援者でもあるという方が多く参加されていました。自分がきょうだいという立場であるから、仕事で障害者と関わったときに思い入れが強くなってしまい、しんどくなってしまったという方や、自分の経験が仕事に活かせてよかったという方など様々な声を聞くことができました。

2030代のきょうだいの想い
(希望人数が多かったため、3グループに分かれました)

2030代の若いきょうだいが多く参加し、明るい雰囲気で、和気あいあいと自分たちの経験を語り合いました。2030代のきょうだいの恋愛事情やカミングアウトに悩んでいるという声もありました。

◆親との向き合い方・親からの想い

きょうだいの立場が多く参加されました。グループでは話をして、親と障害のあるきょうだいについて話し合おうと思えた、という方や、きょうだいに関する悩みは同世代にも親にも話せなかったと、今まで抱え込んでいた思いを吐き出されていた方など様々な方がいらっしゃいました。

◆親亡き後の生活の場

親・きょうだいの立場で、障害者の最期の生活の場をどうすればようのだろうか、と不安を持っている方、現在、父の会をつくって妻の負担を減らしたいと思い、頑張っていらっしゃる方など様々な方が参加されていました。将来、きょうだいや障害者本人が困らないように、本人が、親がいなくてもできることを身に付けていってほしい、という声もありました。




●アフタートーク(居酒屋交流会)

約40名の方にご参加頂き、盛り上がりました。


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来年、第3回セミナーも開催予定です。
皆様のご参加を心よりお待ちしています!


※セミナー終了後、アンケートにも多くの皆様にご協力頂きました。
ありがとうございました。参考にさせて頂きます。