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2017年5月18日木曜日

5月13日(土)京都きょうだい会例会の報告

参加者の構成(計15名)
性別:男性5名、女性10
年代:202名(うち学生1名)、305名、404名、502名、602
居住:京都9名、大阪4名、滋賀2
参加回数:初めて7名、2回以上8

※きょうだい会自体に初参加の方は5名。
4歳の子どもさんと一緒に参加された方もおられました。




今更ですが・・・

ブログを更新している理由(の一部)は、会への参加を迷っておられるきょうだいの人たちに会の様子を知ってもらい、参加するかどうかの判断材料にしてもらうことや、会に参加したくても参加することができないきょうだいに対し、自分と似た体験や思いを持っている方がいることを知ってもらい、安心してもらうことにあります。

そのような事情から、ブログでは、例会やカフェでのフリートークから出てきたきょうだいの率直な思いをまとめているのですが、内容によっては親御さんの思いと相容れず、親御さんがきょうだいをきょうだい会に参加させないケースもあると聞いたことがあります。

そのため、何をどこまで書くべきなのか・・・すごく悩んでいます。
今回の例会では、親に関する話が多かったため、上記のことがいつも以上に不安でもあります。
ブログの内容について、様々な立場の方からご意見頂けますと幸いです。


***

例会の大まかな流れは、こんな感じでした。

運営者たちと複数回参加されている方の簡単な自己紹介(一人12分程度)
初参加者の自己紹介(京都きょうだい会を知ったきっかけや今回の参加理由などもお尋ねし、長めに時間を取りました)
フリートーク
休憩(隣近所の人たちと少人数のフリートーク)
フリートーク(前半のフリートークでお話を聞けなかった方を中心に)
インフォメーション(関西圏のきょうだい会や講演・イベント情報などの共有)
アンケート(参加した感想を書いて頂きました)


参加者(きょうだい)の兄弟姉妹の障害特性は、
・知的障害
・ダウン症
・自閉症
・統合失調症
・強迫性障害
・未診断(精神科受診済)
・後天性反射てんかん・・・と、様々でした。


初参加の方7名の背景をざっくりまとめると、こんな感じでした。

10代の時に両親が離婚してから40年ほど、母親と二人でずっと兄弟をみてきた。兄弟は福祉サービスを受けたことがない(本人が福祉サービスを拒否するため)。
・実家と10年ほど連絡を取っていない。状況が変わっていなければ、実家で父親と障害のある兄弟が2人で住んでいるはず、とのこと。
・両親が障害のある兄弟のことで喧嘩ばかりしている。自身は学生で、卒業後、実家を出て一人暮らしをするか悩んでいる。
・実家で両親と暮らしている兄弟がひきこもりで、精神科を受診するも診断がつかなかった。兄弟は向精神薬を服用中。自身は実家を出ており、結婚して、子どもがいる。
・現在、一人暮らしが難しい状況のため、両親・障害のある兄弟とともに実家で暮らしている。
・高校まで母子家庭。養父が心理学や特別支援教育に詳しかったことをきっかけに、多方面で活動してきた。自身は結婚している。
・母親が亡くなってから、自身が兄弟の母親代わり。父親が兄弟の障害に無理解。父親は祖父(父親からみて親)の介護をしている。


***

例会では、こんな話題が挙がっていました。


◆きょうだいの進路

・進路を決める時期、親に「支援学校の先生になったらいいんじゃない?」と勧められた。
・子どもの頃、親の友人から「お姉ちゃんの将来の夢は看護師さんかな?」と断定的に言われた。
・教育系の大学に進学したため、特別支援学校の教員になることを期待されたが、希望していた進路は別にあった。

など、きょうだいであることを理由に進路のイメージを勝手に作られていることが話題になりました。


また、職業選択の際、障害のある兄弟がいるためにできなかったことができる仕事に就いた(海外に行けなかったので、海外出張がある仕事を選んだ)、という話も出ていました。


◆きょうだいのメンタルバランス

今回の例会では、過去にうつ病の経験があると話される方が多めでした。
きょうだいは、自分自身を優先することができない・優先する方法が分からないという方が多く、自分の中につらさやしんどさを抱え込みやすい傾向にあると言えるかもしれません。

きょうだい会が、抱え込んできた気持ちを安心して吐き出せる場になっているといいのですが・・・。


◆その他、家族に関する体験談
(※順不同。一つ一つが独立した体験談としてお読み下さい。)

・子どもの頃、兄弟が障害を理由に就学拒否を受けた時に「もう一緒にいなくていいんだ」と思い、吹っ切れた。自分のことに打ち込むことができた。

・自身の結婚式の際、親から「兄弟は列席させなくてよい」と言われた。親戚がいなかったため、仲良くしていた方に親族席に座ってもらいサポートを受けることで、兄弟にも列席してもらうことができた。

・母親の葬儀には出ていない。父親と接触したくないため、母親の死後の諸々の手続は弁護士を通して行っている。

・両親が、障害のある兄弟のことで頻繁に喧嘩している。主に、「父親が兄弟のことを全然みていない」という母親の怒りが発端であるが、母親が思うより、父親は兄弟のことを考えている。

・父親から、「親は先に死ぬから逃げることができる」と言われた。親としての自覚のなさが悲しい。兄弟に対しては愛情があるが、父親のことは親だと思えない。

・親に、「自分が亡くなった後のことは考えているか?」と尋ねたら、「何も考えてないよ」という答えが返ってきて、不安になった。

・親から、「(兄弟のことは)運命だから、諦めて受け入れて」と言われた。

・きょうだいの立場の方も登壇されていた親なき後のシンポジウムに親と一緒に参加したが、その後、親から「あなたにはあんなに苦労かけてないでしょう」と言われた。親にきょうだいの気持ちを理解してもらうのは難しいことだと改めて実感した。

・独身の時、親から「結婚しないの?」とさらっと聞かれたが、きょうだいの結婚はそんな簡単なものではない、と心の中で反発していた。

・自分の夫や子どもを優先したい。自分以上に子どもが何より大切な存在。自分は家族に関するストレスが発端となり持病を抱えることになったが、家族のことも含めて全て受け入れてくれた夫には感謝している。夫は自分で選んで結婚を決めたし、子どもは自分が責任を持って出産したけれど、実家の家族は自分で選んでいないし、兄弟のことを自分が出産したわけでもない。それなのに、どうしてこんなに責任を負わされないといけないのか、という気持ちになる。


・・・などなど、きょうだいとしての様々な体験や思いが共有されました。


(※きょうだい会の集まりの雰囲気は参加メンバーによって大きく変わりますので、お時間のある時に過去の報告ブログ等も遡ってご覧頂けますと幸いです)


例会後は、すっかり定例化してきた(?)居酒屋での2次会へ。
8名の方が参加されました。


***

以下、参加者の方に書いて頂いた感想です。
参加者の具体的なお名前が書かれていた箇所は空欄にしています。


<きょうだい会自体に初参加の方>

来てよかった!
自分の抱えている気持ちを言えて、あたたかく進行してくれたマツモトさん、ありがとうございます。皆さんありがとう。
メールアドレスに連絡頂いたらうれしいです。
皆さんの話きけてよかった。
また皆さんとお会いできますように。

想像していたよりもざっくばらんで、参加者の方が最初から「胸襟を開いて話したい」という気持ちで臨んでおられることが感じられ、とても居心地が良かったです。
話の内容も一般論ではなく、渦中にいる者として、非常に現実的でした。
このような場に参加できたことに感謝致します。
皆さんがうなずきながら話を聞いて下さって、心の重荷がほんの少し取り除かれたように感じました。

〇〇さんの進路の話や、〇〇さんの兄弟がつぶれてしまう話は、共感できました。
又、機会があれば、制度(行政)の問題点などを聞きたいと思いました。
次回も参加したいと思いますので、よろしくお願い致します。

様々な立場の方の意見を聞くことができて、大変今後の人生の考え方の参考になりました。
自分の話がまとまっておらず、何を話しているのか途中で混乱しました…すみません!
色々なきょうだい支援のアプローチがあることが感じられました。

いろいろな方のお話をきかせてもらってよかったです。
また都合がついたら、おじゃましたいと思います。
その時はよろしくお願いします。
ありがとうございました。


2回以上参加されている方>

親との距離のとり方はほんとうに難しいです。
きょうだい児の問題は、親との関係の問題が大部分という気がします。
一緒に暮らす、離れて暮らすがもっと自由に選択できるといいのに、と思っています。
あと、きょうだい児はメンタルの調子を崩す人が多いというのもうなづけます。

親との縁をすっぱり切れることができるとのこと、びっくりしました。
世の中には沢山あることだと思いますが、その原因が障害者のことだとしたら少し悲しいかも?

みなさんのご経験をきかせて頂いて、決断・行動にただただ圧倒されました。

いろいろな家族背景を持ったきょうだいがおられるのだなと改めて分かりました。
「選択肢の無いことの苦しさ」という言葉が心に残りました。

きょうだいが抱える悩みや思い、自分の気持ちへの折り合いのつけ方など、多くの気づきを今回も頂くことができました。
これからもまた参加し続けていきたいと思います。

立場が違っても共感できるところがとても多く、話が聞けて良かったです。
ありがとうございました。


★★★

京都きょうだい会・しろくま会(2030代のきょうだい会)今後の予定

7月 2日(日)1317時 障害児者のきょうだいセミナー@大阪
7月 8日(土)1821時 京都きょうだい会例会
7月22日(土)1417時 しろくま会カフェ
9月 2日(土)1821時 京都きょうだい会例会
99~10日(土日)京都でてこいランド12日交流会

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。

★★★


2017年5月13日土曜日

4月29日(土)20~30代のきょうだいの集まり@愛知の報告

参加者の構成(計9名)
性別:男性1名、女性8
年代:201名、308
居住:東京4名、京都・滋賀・静岡・広島・宮崎 各1
参加回数:(2030代の集まりに)初めて3名、2回以上6


42930日の全国きょうだいの会全国総会@愛知が開催される前の時間帯に開催しました。
主催は、「しろくま会」(京都の2030代のきょうだい会)と「ファーストペンギンの会」(東京の2030代のきょうだい会)です。
参加者はそのまま全国総会に参加される方が多かったため、全国各地から集まりました。

前回(20169月)と同じ、大府公民館3階の和室で開催しました。


***

参加者(きょうだい)の背景は様々でした。

母親を早くに亡くされ、高校生の時期(あるいは20代前半)から母親役割を担ってこられた方。
親の介護は別のきょうだい担当で、障害のある兄弟のサポートは自分担当、と家庭内で役割分担されている方。
実家の両親に兄弟のサポートを全面的に任せていて、親が倒れた時どうなるのだろうかと、将来に漠然と不安を感じている方。

きょうだい関係に揺らぎがあり、今は積極的に兄弟の世話をしたいと考え、実行されている方。
親なき後に兄弟と縁を切るために、水面下で準備を進めている方。

などなど・・・。


いとこの立場の方も参加されていました。
障害のある人(一人っ子)の父母・祖父母の方が亡くなられた後、いとこと伯母(今回の参加者から見て母親)が保護者の役割を担ってこられた方で、
インターネットで調べて、「きょうだい会」が自分と比較的近い感覚なのでは?と思われ、集まりに参加して下さいました。


いとこの方のお話を聴く中で、
親族が障害のある人の生活に関わることについて、その考え方に地域差があるのではないか?都心よりも地方の方が「保守的」で、親族でサポートすることを良しとする考え方がより強いのではないか?という話にもなりました。
全国各地から人が集まると、こういった話もできて新鮮です。


***

成人期のきょうだい会の中には、正式名称を「~~障害者とともに歩む兄弟姉妹の会」とする団体がいくつかあるのですが、この「ともに歩む」という言葉の解釈についても話題になりました。
全国きょうだいの会に関して言えば、元々、障害者の権利擁護の活動に重きを置いていた時代があったという歴史的背景等が名称の由来になっていると推測されるのですが、
実際の参加者が「ともに歩む」という言葉から連想されるきょうだい関係かと言われると、必ずしもそうではない、という実態があります。
(もちろん、「ともに歩む」という言葉のイメージ通りのきょうだい関係の方もおられます)

「団体名によって、参加すれば馴染んでもらえそうなきょうだいに対して壁ができているのでないか?」という意見や、
「家族と縁を切るタイプの人は、誰にも相談することなく着々と準備を進めるのではないか?そもそものターゲット層がそこにないのではないか?」という意見、
どのきょうだいでも、ある意味、“ともに歩んでいる”(きょうだいの生活に何らかの影響を及ぼしている)のだから、誰にでも当てはまるのではないか?」という意見なども出ました。

・・・全て参加者の想像上の意見ですので、正解はないのですが。

ふと、「しろくま会」という名前によって参加を渋っている方がおられたらどうしよう?と不安に駆られたりしました^^;


***

今回は、参加者の年齢層がいつもより高めで、唯一の20代の参加者も既に親なき後を経験されていたからか、20代の参加者が多い時とは雰囲気の異なる集まりになりました。

また、共通の話題がポンポン出てきてコンスタントに話が盛り上がるというよりは、
参加者のこれまでの体験や近況報告をじっくり傾聴するという雰囲気でした。
自分の体験とかけ離れていても、どこか通じるところがあって興味深いです。


***

個人的には、今回の集まりの中で、

「(障害のある兄弟について)兄弟とも認めたくないのか、兄弟とは認めるが距離を置きたいのか。どちらであるかによって、精神的に大きな差があるのではないか。」

「兄弟が好きというわけでも、兄弟に対する義務感があるというわけでもないので、逃げても良かったが、逃げたら後悔すると思った。」

といった語りが印象に残りました。
キレイごとだけでは済まないきょうだい関係について語れる場、これからも大切にしたいと思います。

全国きょうだいの会全国総会の報告は、また別の機会に・・・。


***

以下、参加者の方に書いていただいた感想です。
時間の都合上、当日に書いて頂くことができなかったため、後日お送り頂いた方のみの掲載になります。

今回は9名と少ないメンバーでしたが、良い話が出来たと思います。
きょうだいがいると自分の思いや意見より、周囲の反応を優先してしまうこと、
でも、それを続けることは、自分の本音と違うのでもやもやしてしまいます。
良いことも悪いことも、自分の思いの上で決定していく。そうすれば結果が悪くても、後悔は少ないのではという話は、今までの私の中にはない考え方だったのでとても良かったです。

いろんな話が聞けて、参加してよかったです。
私自身20代の頃が1番つらく大変だったけれど、それはそれできょうだいや家族、自分自身のことで悩み、考え、充実していたことを思い出し、実感しました。
若くして(幼い頃から)他の人が味わったり経験しなくてもすむことに直面している私たちきょうだいですが、きっと乗りこえていける、乗りこえてほしい、乗りこえていきたいと思います。
たとえ、親が高齢で亡くなったり、きょうだいの病気や障害が難しい状況でも「どう生きるか」を考えたいし、それを語れる共有できる場があることは、すばらしいと思います。

いつもありがとう!
きょうだい会に入ってもう7年目...
結婚した先輩、夫婦で出席している先輩に憧れてきたので、今回は、夫と参加できて夢(!?)がひとつかないました。
全国大会は4回目の参加です。
1年振りに全国のおなじみの(変わらない...!!)みなさんに会って話すと、1年前はちがった!!みたいな、自分の考え方、語り方の変化にふと気付いたりもします。


きょうだい会の集まりの雰囲気は参加メンバーによって大きく変わりますので、お時間のある時に過去の報告ブログ等も遡ってご覧頂けますと幸いです。


★★★
京都きょうだい会の次回例会は、513日(土)です。
72日(日)には、京都きょうだい会含む関西圏のきょうだい会が実行委員を務めるきょうだいセミナーが大阪で開催されます。
詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。
★★★