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2016年5月13日金曜日

全国総会2016分科会のご報告 ~「親との付き合い方・親亡き後」編~

4月23・24日に開催された「全国きょうだいの会全国総会2016」(東京)に、京都きょうだい会から3名参加してきました。

総会当日(24日)の午後の部は、恒例の分科会です。
気になるテーマのところに行って、参加者同士で語り合います。
今年のテーマは、次の5つでした。

◆「親との付き合い方・親亡き後」
 (参加希望が14名と多かったため、2グループに分かれました)
◆「成年後見制度」
◆「定例会のあり方」
 (東京、愛知、兵庫、大阪、京都の運営者7名が集まりました)
◆「若いきょうだい(主に20~30歳代)の会について」
 (前半は関東在住の方のみ。後半は定例会のあり方グループと合流しました)
◆「幼少期のきょうだい支援」

希望者数の都合上、今年は上記の分科会のみでしたが、
「結婚」「障害のある兄弟姉妹の震災時の対応」等も候補に挙がっていました。

「親との付き合い方・親亡き後」のグループに参加された京都きょうだい会副代表の文章を掲載します。
よろしければ、ご覧ください。

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「親亡き後」は根底的なテーマ~「親子の対話・親亡き後」の分科会に参加して~

 7名の参加者がありました。これから親亡き後の見通しを探さなければならない方、ある程度見通しの立っている方、すでにきょうだいを亡くされた方、それに親の立場の方がおられました。ほとんどの方が初対面でしたが、率直に胸の内を打ち明け合うことが出来、いいグループ討議の場になりました。

 「親亡き後のこと」は現状ではとても大きな課題です。きょうだいの一生にとっても、根底的なテーマと言ってもいいと思います。きょうだいを対象にした過去の調査結果を見ますと、「小学生の頃、将来面倒をみなければならないと感じていた」という人は、75パーセントもあったそうです。大人になるまでにそのように感じたという人も含めれば、もっと多数にのぼるはずです。「親亡き後のこと」は、子供の頃から始まっており、それが親子の対話や対人関係、進路や就職の選択、結婚にあたっての戸惑いなどにつながって行く深い問題なのだと思っています。

 今回の分科会でも、「幼稚園の時から将来自分が面倒をみなければならないことを覚悟していた」「大学生になるまできょうだいのことを人に隠していた」「就職先も自宅近くの職場を選んだ」「学校で選んだコースとは別の福祉職を選択した」等々、親亡き後の不安から来る心の内が語られました。

 親子の対話に関しては、多くのきょうだいが親に我慢して言えない時期を体験していました。しかし、「何かのきっかけで隔たりなく話しあえるようになった」「親の自分を心配してくれている言葉を聞いて気が楽になった」「親にきょうだい会に参加してくると言うと喜んでくれた」など、親子関係が深められる様子も語られました。そして「親が元気なうちに親なき後のことを話しておける関係になっておきたい」「子供から率直に心の内を親にぶつけてくれると親は嬉しい」との願いも出されました。

 参加者の中には、将来の見通しがまだ見えず真摯に情報を求めておられる方もおられ、共に考える時間が持てました。何らかのヒントにして頂けたら嬉しいです。そして、まだ会があることを知らないきょうだいが全国に数多くいることも私たちは頭に入れておくべきだと思います。

 また、会のあり方として、長年活動に携わって来た方達から、「本人が生前入所していた施設に今も通っているが、親も自分亡き後のことでは悩んでおり、親の会のバックアップも必要だと感じている」「私たちのきょうだい会は親とも共に歩むスタンスを大事にして行きたい」との提言がありました。その通りだと思います。

 今回の分科会で少し頭の中が整理出来たように思いました。親亡き後の自立の在り方が見えるようになることは、家族みんなにとって大切なことです。「親亡き後の選択肢が多くある社会にしたい」という親の方の言葉が心に残りました。

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