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2020年3月31日火曜日

3月14日(土)京都きょうだい会例会のご報告

参加者 計11名
性別:男性6名、女性5名
年代: 30代1名、40代6名、50代2名、60代1名、70代1名
居住:京都8名、大阪2名、滋賀1名
参加回数:初めての方3名、2回以上8名


新型コロナの感染が心配な状況の中で、実施すべきか決断が要りましたが、換気対策に注意を払いながら開催しました。恒例の二次会は中止にしました。

抱えている家族の障害種別は、知的障害・発達障害・精神障害でした。参加者の構成は、きょうだいの他、親、サポーターの皆さんでした。今回は久しぶりにまとまって初参加者3名の出席があり、初参加者のお話しを中心に話題が展開しました。

初めに参加が2回目以降の方の自己紹介・近況などを、続いて初参加者の方から、参加したきっかけや今直面していること・思いなどを語って頂きました。


それぞれの経験や思い、近況など・・・

きょうだいや親を見つめて・・・

・妹が入所施設での生活に適応できず、何十年も不穏状態が続き、見ているのが辛かった。原因はつかめないものの、そんな妹が近年になって穏やかな表情を見せる時があり、今まで聞けなかった言葉も出て来て、妹に対する見方が変わって来た。

・弟は家庭内で荒れた時期もあったが、家族は積極的に関わって来た。本人に病気が見つ
かり、親も高齢になって、今後いろんなことがきょうだいの自分の肩にかかって来ると
思うが、制度の情報を取り入れて何とか乗り切って行ける気がする。

・遠距離にいる母と障がいの弟を引き取ることも考えるが、母と弟が築いて来た世界もあ
ることを考えると、簡単に結論は出せない。


狭かった解決への道、相談機関の無理解、思わぬ出会いの経験

・弟のことをみていた母が病気で倒れたため、遠方にいる自分が情報をかき集め、限られ
た時間の中で解決策を探し、大変な経験をした。タイミングよく新設の施設が出来て、
入所出来たが、他のきょうだいはどうしているのか知りたくなった。

・兄は子どもの頃から社会適応に問題があり、大人になって精神障害があることが分かっ
た。両親が亡くなり、自分が親代わりになって動くしかなったが、関係機関は家族への
理解が全く無く、腹立たしい思いをした。成年後見制度やグループホーム等を利用して、
生活を立て直し、今は良い距離を持てるようになっている。

・子どもに行動障害があり、最近施設に入所したが、相談した機関は最初、家族の思いに
寄り添ってくれず、入所に至るまでに時間がかかった。

・小さい頃、弟が近所を徘徊し、謝りに行くのが自分の仕事だった。保護された交番の警
察官がたまたま情報を知っていて児童相談所のことを知り、施設入所につながった。


きょうだい会のこと・・・

・きょうだい児の抱えている問題の大きさに気づき、きょうだい会のサポーターとして活
動をして来た。しろくま会や講師活動にも取り組んでいる。

・親として、他の「健常」の子ども達のことも気になっており、きょうだい会に関心を持
って参加している。

・解決への道が狭かった苦い経験をし、きょうだい会に関心を持った。座談会のような場
がもっと身近にあればと思う。

・認知症の家族の会にも参加しているが、当事者の会は、語る機会や情報を得られ、力づ
けられる。長くきょうだい会をやって来て、改めて居場所としての意義をつくづく実感
している。


参加したきっかけ・今直面していること・思いなど・・・

・しろくま会に参加したことがある。これまで、いい子であろうとしてしんどかった。母
の持病が悪化した為、弟のグループホーム等の話が現実味を帯びている。情報交換や、
きょうだいが入所されている方のお話しを聞いてみたかった。

・会のことは前から検索して知っていたが、参加する勇気がなかなか出なかった。成人し
て実家を出、過去を封印しようとしていたが、ちゃんと向き合わないといけないと思っ
た。複数の障がいのあるきょうだいがいて、親代わりの役割も担って来た。自分自身の
発達にも屈折があったことを感じている。

・昨年秋の「親なきあとセミナー」に参加し、気持ちが救われた。障がいの兄のことの他
にも、育った家庭での辛い経験があり、それらが複雑にからんで今も自分に影響を及ぼ
している。


~以下は参加者の感想(アンケートより抜粋)です~

初参加の方から

●今日思い切って来たことで、皆さんとのつながりが出来て良かったです。家族以外とのつながりや人間関係をたくさん作りたいと、改めて感じました。そのためにも、自分自身が「できない」と思うことを伝えて、頼ったり周りに助けてもらうことに、もっと抵抗をなくしていきたいと思っています。

●今日は、色々親身に話を聞いてくれてありがとうございました。身内の事を、まだ明るく話す事は出来ませんが、来れて良かったです。又、来ます。

●参加できて良かったです。今の状況は、自分の無知が不安でたまりません。“助けて”が言えない自分がいます。今日の3/14 “きょうだい会”、フィードバックして、まとめてHP等にUPして欲しいです。

2回目以降の方から

●生き方の問題ですまない家族のことがまだまだあるので、自分の経験をなにかに応じて伝えたいですね。

●初めての方が3名来て頂き、現状をお聞きできて良かったです。たくさん、お話しできる情報はありますので、また来て頂けたらうれしいです。長男(16才)は、1月から入所となりました。入所されている方の支援にも関わっていきたいです。

●きょうだいの実家の家庭問題、きょうだいが親から受けた虐待、心理的負担を和らぐことができるよう、悩みを聴いて、対応方法をアドバイスできるようになれればと思います。

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今回は、3人の初参加の方から、切実な思いが出されました。これまでためてこられた思いがあふれて、お話し頂けたのはごく一部だったとも思います。聴き手の我々も共感したい気持ちが先行し、先走った質問や「アドバイス」があったかもしれません。きょうだいの体験には個別性があり、長い時間をかけてようやくお互いが見えて来ることがあると思います。それぞれのペースを大事にして、例会が自分の思いの整理や今後の解決への道を見つけてもらえる場になればと願っています。
                                   担当(い)