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2022年5月30日月曜日

5月14日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計11名(対面にて)

 性   別:男性6名,女性5名

 年代別:20代1名,30代2名,40代4名,50代2名,60代1名,70代1名

 居住地:京都府10名,奈良県1名

 参加回数:初めての方3名,2回以上8名

 参加者の立場:きょうだい9名,親2名

 障害種別:知的障害・精神障害:発達障害:身体障害の家族の方達でした

5月例会は、1月以来の対面での例会が実現し、京都、奈良から11名の参加(内初参加3名)で、無事終了しました!不思議なもので、毎回初参加者が2~3名おられ、新鮮な空気が入ります。従来よりも自己紹介の時間をコンパクトにして、聴きたい事や話したいテーマがあれば出してもらうという流れで進めました。初参加者の方達もざっくばらんに心情を吐露して下さり、休憩時間も途切れることなく少人数での会話がはずみ、盛会でした!

参加者の皆さんには、それぞれの振り返りがあったと思います。まず、頂いた感想やメッセージから紹介して行きましょう。

~参加者の感想・メッセージから~

・最近「きょうだい」の存在を知りました。姉が先天性の身体障害者です。家族中心の生活だったので、いざ「結婚」「親亡き将来」を考える年齢になり、自分のために生きること、にとても動揺していたので、すがる思いで参加いたしました。友人と話してても「本質はわかってもらってないなぁ」と思うことばかりでしたが、ここでは気持ちを分かってくれる人がいることがとても嬉しかったです。そして、親の立場で参加していらっしゃる方がいたことが、何よりも救いでした。「きょうだい」の苦悩や葛藤を一緒に理解しようとしてくれる親もいるんだな、もしかしたら私の両親もそうだったのかな、と親の気持ちを考えるきっかけになりました。また是非参加したいです。
・初めてリアル開催に参加しました。参加してわかりましたが、みなさんそれぞれ、当事者、兄弟、親のたちばで、悩み、苦しんでいること(もちろん、苦しんだ分、喜びも大きい)をシェアして、心を通わせました。やはり、共通する事柄の共感は、心の安寧につながり、互いに、エールを送る感じに自然とわかちあえるところが、本当にありがたいです。安心して、いられる場所。他の場所では、話せないことも(理解してもらうのは、容易ではなく、違った風につたわったり、つたわらなかったり・・・)話せて、共感してもらえる。また、それぞれ個々の大変さや、思いや、環境など、背景をとおして、いろんなことを、思いめぐらせ、寄り添ってもらえることに、報われた気持ちになります。素晴らしい会に巡り会えたことに感謝です。
・障害のあるきょうだいが嫌いではないのに色々な制約があり、それが自分の中で葛藤してしまうということを辛く思います。社会の制度がもっと充実し、これが改善されることを願うばかりです。また、この苦労を甥、姪にさせたくないと言われる発言にも、社会の制度の不足を感じざるを得ません。
・親の立場で参加致しました。今回、初めてのきょうだいさんも数名参加されていて、改めてこの会の意義を感じさせて頂きました。親との関係性がやはり上手くいってないケースが多い気がします。ただ、僕も知り合いでもいますが、親との関係性もよく、障がいの兄弟姉妹の障がい受容も前向きに捉えて、活動されているきょうだいも多くいるので、その違いがどこで生まれるのかなどの検証も今後の活動の内容を考える上で必要かもしれませんね。
・今回は、名札のおかげで名前を把握しやすくなり、助かりました。人数が多かったため、聞きたいことや話したいことがあまり話せなかったのが残念ですが、次回に取っておきます。ありがとうございました。
・例会で紹介した映画「ふたり~あなたという光~」ですが、公式サイトによると5月14日以後の上映予定は決まっていません。公式サイトやYouTubeで予告編を流していますので、ご覧下さい。それと、他団体の上映会に視聴申込みする場合は視聴料は1,000円から2,000円が多いですが、自主上映する場合のレンタル料金はオンライン上映は3万円、DVD上映は35,000円でした。きょうだいへの結婚差別は、残念ながら、障がいの種類を問わず家族に自立できない障がい者がいる場合はつきものでしょう。理由は大体察しはつきます。映画でも言っているシーンはあります。ですので、上映して意見を交換する価値はあると思いますが、レンタル料が安ければ・・・ですね。それと、男きょうだいへの結婚差別について、世の女性の意見を聴きたい。

頂いた感想以外にも印象に残った発言がありましたので、要約して紹介しておきます。

・親は障害者本人のことで手一杯だったのだろうが、もっと自分のことも見て欲しかった。青年の頃、ざっくばらんに話せる場が欲しかった。
・親にも障がいがあり、期待をかけられたり洗脳されたりし、自分自身の人生を考えたことが無かった。相談出来る人もいなかった。
・周囲の人へのカミングアウトのたびに傷つき、対人関係で悩んできた。若い時にきょうだい会の存在を知りたかった。

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全体で話された内容ですが、はじめに、前回でも少し話題にのぼっていた「きょうだいの立場をどう受容して行くか~きょうだいの受容」をテーマとして取り上げたところ、そこから次々に話題が展開して行きました。「きょうだいの受容」につながる話を出し合って行く中で、
  「受容したい気持ちと、自分自身の人生を生きたい気持ちの間で葛藤している姿」       
  「悩みを共有出来る相手がいなくて、きょうだいが孤独な環境に置かれていること」
が共通性として浮かび上がり、共感の輪が広がりました。
また「きょうだいの受容」以外に、以下のような興味深い語りもありました。
  「制度の利用にメドが少し立ち、実家との距離を取るという選択肢もあるのではない
   かと思えて来た。」(きょうだいの方の発言)
  「障がいを持つ子の他にきょうだい児にあたる子も何人かいるが、かつて自分の勝手
   な将来像をきょうだい児に押し付けていた時期があった。ある時から、それは違う
   のだと気づき、そういう考え方をやめることにした。」(親の立場の方の発言)
感想文にもあった「親との関係性が上手く行っているところと、そうでないところの違い」「きょうだいの結婚差別をめぐる性別の違い」とともに、次の例会に取り上げてもよいのではないかと思いました。

以上、例会の概要でした。


なお、長年、お世話になっていた「喫茶みどり」のマスターが最近お亡くなりになり、営業継続が心配されましたが、継続が決まりひと安心です。次回、7/9(土)も「喫茶みどり」で対面にて開催予定です。コロナの感染状況のこともあるので、直近のホームページ等でご確認下さい。