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2019年7月31日水曜日

7月13日(土) 京都きょうだい会例会のご報告

参加者の構成(計9名)
性別:男性6名、女性3名
年代:40代5名、50代1名、60代3名
居住:京都7名、大阪1名、兵庫1名、
参加回数:初めて1名、2回以上8名


初参加者は1名でした。きょうだいの他、義理のきょうだいや親の立場の方も来られていました。いつものように、障がい者につながる仕事をしておられる方が何名かおられました。今回は40代以上の方ばかりでした。障害種別は幅広く、知的障害・精神障害・発達障害にまたがっていました。

人数は9人とやや少なかったのですが、その分、一人一人の背景を改めて聞けて、お互いの理解を深められたと思います。どんな話が出たのか、簡単に紹介しておきます。いつものように、自己紹介と近況、今の思いなどを語り、休憩をはさんだあとはフリートークとなりました。


◆親にも胸の内を語れなかったが・・・
社会に出た時、人間関係でつまづいた体験がある。きょうだいの問題が深いところで関係しているのだということが、きょうだい会に参加して気づけた。アドバイスをもらい、障がいのあるきょうだいにつながりそうな施設の見学など、一歩を踏み出し始めている。

◆働き方を考え直している・・・
結婚して、障がいのあるきょうだいと義理の関係になった。自己肯定感が大事なことを、妻も私も気づくようになった。自分の働き方のことも、考え直している。これまでのキャリアを生かし、楽しい仕事・満足できる新しい仕事を見つけたいと思っている。

◆「福祉の何でも屋さん」をやろうと、昨年、事業所を立ち上げた・・・
これまで無かったサービスを提供したい。そのことがきょうだい支援にもつながると思っている。居住支援事業に関する指定も最近受けた。仕事の中で、支援されていないきょうだいを見ることがあり、心痛めることがある。

◆高齢になった姉の今後・・・
知的障がいがあるがずっと企業で働いて来た64歳の姉のことを、これからどうして行くか、考えている。

◆見えない出口が少し見えて来た・・・
精神障害のあるきょうだいと長年向き合って来た。ようやく外の支援につながり、家族も一息つけるようになった。例会の参加も一時中断していたが、顔を出せるようになった。
同様のお話は別の方からもあり、「多くの支援者は家族の窮状を分かってくれず、苦労したが、成年後見も利用し、ようやく生活を整えられた。やっと自分の人生を考えられる時が来たという心境だ」という報告もありました。

◆当事者の会で自分を客観的に見られるようになった・・・
認知症の家族の会で母の話を聞いてもらったり、人の経験談を聞いて初めて、自分を客観的に見ることが出来た。「家族はとまどう時期があって当たり前なのだ」と教えてもらい、乗り越えて来られた。

◆入院中の付き添いを頼める人が見つけられず、困っている・・・
前回の例会で出た入院時の付き添いは、在宅の場合はコミュニケーション支援というサービスが制度としてあるが、施設入所者の場合対象にされていない。病院からは付き添い人を要求されるが、家族も高齢化して来ているので、家族だけでは次第に無理になって来ている。有料で人を頼むにしても、対応出来る人を見つけるのに大変な壁がある。

◆親なきあとセミナーをどんなものにして行くか・・・
「親なきあとについて」の知識を深めたいとの声に答えて、当会のメンバーと北陸きょうだい会とで協力し、6月に金沢でセミナーを開催した。関心が高く、北陸各県から90名近くの参加者が集まった。京都でも10月に同様のセミナーを開催しようと今、計画している。きょうだいにとって中身のあるものにして行きたい。進め方につき、みんなで考えて行きたい。

~参加者の感想(アンケートより抜粋)~

●京都の会には初参加させて頂きました。常連さんが多く、専門職の方も多くおられ、とてもたのもしい感じがしました。初参加の方も、心を開いてお話できる会なのではないかと思います。ありがとうございました。

●きょうだいとしての悩みを話す場所が無く、一人で抱え込みがちで、長い間悩んでいました。口にする事も良くないと思っていたのですが、思いを言語化し、共感する事で自分を客観視出来、不安が軽減されました。親とも冷静に話す事ができるようになり、関係を見つめ直すいいきっかけとなりました。きょうだい会に出会えてよかったと思います。今後ともよろしくお願いします。

●講演会やセミナーなど、私が当初、きょうだい会に参加したころには殆んどなかった場が増えてきて、おどろいています。色んな話を聞いて、具体的な事例を聞いて、心の重りが少しでも軽くなれば良いなあと思います。

●他人様には言えないきょうだいの事情を話せる場があり、大変ありがたく思っています。また、高齢者の地域包括センターのようなものが、障害者でもあればいいのにと思います。

●「住宅確保要支援事業者」を知ったことは役立ちました。

●おぼつかない障害福祉の情報を活用頂き、良い支援になってうれしく思います。


*10月の「親なきあとセミナー」について・・・
詳細はこちらをご覧ください。

*「高齢者の地域包括センターのようなもの」について・・・
介護保険の「地域包括センター」にあたるものが障害者福祉のサービスにもあります。
「障害者地域生活支援センター」といい、各都道府県・政令市の福祉圏域ごとに設置され
ています。近年、相談支援は重視されるようになっています。障害者地域生活支援センタ
ーは基幹的な相談機関で、初めて相談したい人、どこから相談すればよいか分からない人、いろいろな課題を一度に抱えている人などが利用されればよいかと思います。
まずは、福祉事務所や市町村の福祉課で「障害者総合支援法のサービスのしおり」をも
らい、自分の居住する障害者地域生活支援センターはどこか確認されるとよいでしょう。
インターネットでも検索できます。(例えば、「障害者地域生活支援センター 京都」で検索)センターに相談の際は、事前に障害者手帳を持っているか、持っているとすれば障害種別と程度は何かを整理しておいた方がよいでしょう。

                                   担当(い)
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語られる話題は、その時の参加メンバーによって異なります。
お時間のある時に、過去のブログもご覧頂けますと幸いです。

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京都きょうだい会・しろくま会 今後の予定
2019年9月14日(土)京都きょうだい会 例会
2019年10月5日(土)障がい者のきょうだいのための「親なきあと」セミナーin京都
2019年11月9日(土)京都きょうだい会 例会

【中止のお知らせ】
2019年9月21日(土)~22日(日) 京都でてこいランド1泊2日交流会
 上記イベントは、でてこいランド閉鎖に伴い、中止いたします。ご了承ください。

詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。
★★★

7月7日(日)しろくま会(20~30代のきょうだい会)カフェのご報告

参加者の構成(計11名)
性別:男性5名、女性6名(うち学生7名)
年代:208名、30代3名
居住:京都4名、大阪2名、兵庫・滋賀・三重・岡山・石川各1
参加回数:初めて9名、2回以上2名

今回は、Sala Suite Caffe Rucola (サラ スイート カフェ ルーコラ)さんを利用させていただきました。


5~6名のグループを2つ作り、1時間ごとに席替えを2回行いました。

学生さんが多かったこともあり、進路選択などの話で盛り上がっていました。
また、学生さんから社会人の方へ、将来展望や結婚に関する質問などもありました。
きょうだいの体験を「虐待」「毒親」といった言葉を用いて語ることについても共有され、話が深められたように感じました。


以下、参加者の方に書いて頂いた感想です。

昨日(*日本と台湾のきょうだい交流イベント)も感じましたが、年齢層が近く、話題も共有しやすいため、(年代を問わない)きょうだい会よりも話が盛りあがっているように思いました。
今回、特に盛り上がったと感じたのは進路選択と研究や学問についてでした。
きょうだいのキャリアについて考えるとかもおもしろいかもしれないです。

今まで自分の妹のことを他人に相談することができていなかったので、同じような悩みをかかえる人がいて、一緒に話せただけでも嬉しかったです。
また、家庭環境への悩みを持つ人も多かった。私の家庭はその点では悩んでいなかったが、解決できたらいい点だと思いました。

親が思う愛情のかけ方と本人が感じる愛情には大きな差があると感じた。
緊張しましたがお話できて楽になりました。

進路や、親・きょうだい間の関係など、同じテンションで話せることが新鮮でした。
また参加させていただきたいです!

全員が同じ立場なので、家族のことを自然に話せたことが一番嬉しかったです。
周囲の偏見や心ない言葉を聞いたときの自分の気持ちなど、共感できるポイントが多々ありました。
本日は参加させていただきありがとうございました。

初めて参加したのですが、同年代の人と進路についてや大学の勉強について話せてよかったです。特に進路や将来については少し年齢が自分よりも高い人と話すことで、自分がこれからどうしていくかを考える際に参考になりそうです。
今まで上手く言語化できてなかったことが、他の人の言葉でしっくりくることがあり、
本当に来て良かったです。

将来の進路の話や大学・卒論の話が聞けて良かったです。
普段、友人・親には話せないことや聞けないことなどが話せた、聞けたことがうれしかったし、楽しかったです。ありがとうございました。
次回も予定が合えば参加したいです。

年齢が近い人同士だったので、とても会話しやすかったです。学生が多く、学生視点の悩みや思いを共有できて、とても有意義な時間でした。

“きょうだい"「支援」なのか、という話題が印象に残りました。
きょうだいの立場が支援をうけるべきなのか、考えさせられました。
みなさんのお話がきけて、たのしかったし、共感できる場があるという点でとても安心しました。
また機会があればぜひ参加させて下さい!


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語られる話題は、その時の参加メンバーによって異なります。
お時間のある時に、過去のブログもご覧頂けますと幸いです。

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7月5日(金)龍谷大学ゲスト講義、7月6日(土)日本と台湾のきょうだい交流企画のご報告

75日(金)、龍谷大学の講義にて、京都きょうだい会の松本が「きょうだい」についてお話させて頂く機会を頂きました。ありがとうございました!



76日(土)、立命館大学総合心理学部のキャリア企画に関わらせて頂きました。
この企画は『ダイバーシティに柔軟になろう 障害のあるきょうだいを持つ青少年の多文化交流』と題され、台湾の天使心家族社會福利基金會・台北教育大学・蘇州大学・立命館大学・しろくま会(*)の関係者が集まりました。

*正確には、台湾から来日されるきょうだいさんが1823歳中心だと事前にお聞きしていたので、その年代に合わせて、「しろくま会」の参加者や、「なかよし会」(京都府自閉症協会内の、小学生から高校生までの自閉症児のきょうだい会)出身の学生さん等にお声かけさせて頂きました。

第一部(10001200)は各国の遊びを通じた交流イベント、第二部(13301630)はシンポジウムを開催しました。シンポジウムでは、天使心・台北教育大学・立命館大学・しろくま会からそれぞれ話題提供がなされました。また、参加されたきょうだい全員の語りを全体共有する場面等もありました。

以下、許可を得て掲載しています。






今回のイベントの様子の一部がYouTubeにあがっていますので、ご紹介します。
YouTubeで「2019手足日本參訪交流會」で検索すると、関連動画が出てきます(中国語のあと、日本語の通訳が入ります)。

今回のイベントに関する記事です(中国語のみ)。

【專業服務】天使心家族的手足 正用生命影響生命

【人物故事】天使心家族手足日本交流之旅
https://www.ah-h.org/news/news_detail/492