京都きょうだい会ホームページに移動

2023年7月29日土曜日

7月8日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計8名(対面にて)

 性   別:男性5名、女性3名

 年代別:30代1名、40代3名、50代1名、60代1名、70代2名

 居住地:京都府6名、大阪府1名、兵庫県1名

 参加回数:初参加者 1名、2回以上7名

 参加者の立場:きょうだい7名、親1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい 難病

      



7/8(土)京都きょうだい会7月例会は、対面で無事終了しました。京都、大阪、兵庫から8名が参加されました(内初参加は1名)。以前からでてこいランド一泊交流会などで交流のあった伊丹きょうだい会の女性の方も、例会に初めて顔を見せて頂きました。久しぶりに二次会(懇親会)の場も設けました。
初参加者の率直な語りに刺激されて、他の参加者の間でも「これまで打ち明けたことの無かったエピソードもカミングアウトしてみよう」という空気感が生まれ、話題が深められました。
フリートーキングなので様々な話題が出ましたが、語られた内容を振り返り、個人情報には注意したうえで、概略を報告しておくことにします。

それぞれの体験の振り返りと、立て直そうとする気持ち・・・
・子供時代、何となく同級生と感覚が合わずモヤモヤしていた。最近「きょうだい」を特集したNHKのドキュメンタリー番組を見て、自分の置かれた立場を客観的に見ることが出来た。
・親や周囲から大きな期待をかけられ、プレッシャーとなり、自分の人生を生きている気がしなかった。大人になって、自己形成や社会性が身に着いていない自分に気づき、とても生き苦しさを感じた。成長するまでの過程に原因があったことに思い至り、今になって自分自身を取り戻したいという気持ちが強い。
・私も親からの期待が大きく、しばりでもあった。女性なのに男であることを期待され、希望と異なる進路選択を余儀なくされ、自己決定の出来ない人間になった。定年後、人生をやり直したく、大学院で学んでいる。
・統合失調症の兄の地域生活を組み立てるまでに、時間がかかった。親に障がいへの理解が無く、地域の偏見もひどかった。病院も家族への理解に乏しく、苦労した。ようやく兄の生活の支援体制が整い、きょうだいの経験を語れる場にも出会えた。
・子供に障がいがあることが分かってから、転勤の多い会社を辞めて転職した。今は障がい者家族につながる仕事に就いている。
社会の支援の大切さ・・・
・遠距離にいる実家の8050問題の解決がなかなか前に進まないが、いよいよ本腰を入れて、組み立てたいと思っている。家族だけでは完結出来ない問題で、社会の支援をどのように取り入れるか、模索している。
・施設に入所して、障がい者本人の表情が変わった。家族による支援だけでは限界があることも分かった。
きょうだい会、きょうだい支援の意義・・・
・私にもヤングケアラーの時期があった。弟の入所後、大学に入学したが、家族のことを考えて、選択した学科から社会福祉学科に変更した。施設の現状に問題を感じ、きょうだい会に取り組んだ。30代で弟を亡くし、きょうだい会の活動をする資格は無くなったとも思ったが、周囲の説得で思い直し、ライフワークにすることが出来た。弟を通してケアラー支援のことを学ぶことが出来た。
・親亡き後、高齢になった障がいの姉の居住の場探しで苦労をした。きょうだい会を立ち上げたところ、全国にはきょうだいを亡くした人も活動している人がいることを知り、カルチュアーショックを受けた。
・妹が2人とも小頭症だったので、一緒に外出していると目立ち、世間から冷たい視線を浴びて悔しい思いをした。晩年になって、きょうだい支援のことがようやくメディアなどで取り上げられる時代になり、感慨深く思っている・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次に、参加者から感想を頂いていますので、紹介しておきます。

・ほぼ毎回、京都のきょうだい会には初参加の方が来られます。今日も30代の男性。ひらがな表記の「きょうだい」と言う意味や、ヤングケアラーと言う呼び名で社会問題視されて来てますが、まだまだ、きょうだい会のことを知ってほしい人たちはたくさんいるなと感じてます。
・今回初めて例会に参加させて頂きました。私は兄が重度知的障がい者です。私は「自分はどこか人とは違う、なんとなく同級生と何かが違う。もしかしたら自分も障がいがあるのでは?」と思いながら子どもの時から生きてきましたが、今回例会に参加して、「優等生を演じることを求められる。」、「福祉職に就かなければと思うようになる。」、「自分を押し殺して生きてきたので自分を表現出来ない」など初めて同じ気持ちを感じている方々に出会い、私も少し気持ちをさらけ出すことが出来ました。また是非参加させて頂きたいと思っています。本当にありがとうございました。
・京都の例会には今回初めて参加させていただきました。私は2人姉妹で2歳上の姉が重度知的障がい者でした。2015年に大腸がんで68歳の時に亡くなりました。看取りに寄り添ってみて高齢知的障がい者の居住の場の少なさを痛感し、最近はそのことを問題提起しておかなければとの思いが強い日々です。皆さんが幼い頃からの深い話をされていてゆったりしていて良い例会だと思いました。姉に障がいがあった為に、母は私に対してより一層跡取り息子であってほしいという願いがあり、小学校に行くまで男装させられていました。当時は女の子のままでは認めてもらえず辛い思い出です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
様々な屈折や心の傷を負い、一人では気づかないまま、モヤモヤした生きづらさを抱え込んでいる人が多いことを改めて知りました。きょうだい支援の必要性が啓発される中で、自分を客観的に見つめ直し、行き直したいと思う事や、親の代では解決出来なかった障がい者本人の自立の道を見つけようとするそれぞれの姿が語られ、共感の輪が広がっていました。

次回例会は、9月9日(土)午後6時~9時に喫茶みどり会議室にて開催する予定です。
初めての方はホームページから申し込みをお願いします。