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2017年1月31日火曜日

1月15日(日)きょうだい支援セミナーの報告【後編】


セミナーの概要は、【前編】をご参照ください。




学齢期の子ども(自閉症児ときょうだい児)を持つ親御さん2名の感想を掲載します。
長文ですが、ぜひ読んで頂きたいです。


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今回、初めて「きょうだい支援セミナー」に参加させていただきました。登壇していただいた3名の成人きょうだいの方の体験談を生の声で聞かせていただき、きょうだいにしかわからない心の奥の声を聞かせていただくことができたと思います。

きょうだいだから、我慢してきたこと、きょうだいだから今まで、そして今でも心の中で感じておられることなどを聞かせていただき、本当に親以上の大変さをきょうだいの方は持っておられるのだとあらためて感じさせられました。

私は、障害をもつ子どものきょうだいの保護者としてしかわからないですが、私なりに今まできょうだいの大変さをわかってきたと勝手に思っていました。ですが、きょうだいは、そんな程度ではなく、親が思っている以上に、きょうだいは、障害をもつきょうだいに対して、先々まで悩んで考えておられていることに驚きました。

私も障害を持つ親御さんに出会うと、特に障害の話をしなくても、その存在に安心する気持ちがでます。そして、なんとなくわかってもらえるような気持になります。
そのことと同じように、きょうだいの方には、心の底から安心して話すことが保証される場、心の居場所、自分自身の存在を確認できる場所の確保が何よりも大事なことに改めて感じました。

きょうだいの方は、まずは、自分に障害を持つきょうだいがいるということを周りに知られたくない、知られた時に傷つく言葉を言われる場合がある、説明するのが面倒など、理由は様々ではありますが、たくさんの不満や不安を抱えられています。そういった部分が少しでも解消できる場に参加していただき、きょうだい支援セミナーのように、きょうだいの気持ちを、親の立場の方、支援の立場の方などに発信していっていただきたいと思います。

グループディスカッションでは、きょうだいの共通な部分があり、親の思いとは全く違う見かた、考え方に絶句してしまいました。親亡きあとのことも、きょうだいは考えていかなくてはいけないこと、責任感などの話を聞き、親として日頃から将来のことを考えるより、将来を見据えて、福祉のサービスや事業所などを利用させ、いつでも、家族と離れても大丈夫な状態にしておいてあげることが大事なんだと感じました。

きょうだいに無責任と思われないように、少しでもきょうだいの気持ちに近づき支援につなげていけるように頑張っていきたいと思います。

貴重な体験話を聞かせていただきありがとうございました。

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今回が初めてのきょうだい支援セミナー参加でした。

親の立場である自分の周りには、きょうだい支援の存在を知らない、または、興味はあるけどセミナーに行くほどでもないか・・・(障害当事者である我が子は事業所で楽に支援も受けられるし、自分の仕事もあるしなどの理由もあり。)という親御さんもおられます。

私自身が実際参加してみて、直にきょうだいの立場の方のリアルな声や思いを聞くことができ、子どもの将来のことについてもっと細やかに考えなければならないと痛感させられた本当に学び多いセミナーとなりました。

登壇された3名の方のお話とグループディスカッションでご一緒させていただいた方々のお話の中で、「母に、結婚するとき障害のある兄がいてもいいよと言ってくれる人としなさいよ。と言われ不安がよぎる。」「学生のころは、私だって兄のせいで我慢もしてきてイライラすることもあり、母に対して‘お母さんは障害とは全く関係ない半生があってこんなことで悩まない時期もあっただろうけど、私は一生関係者なんだ!’と心の中で反発していた。」という言葉が胸にズシリと響きました。

きょうだいの方の年齢、親の年齢、障害当事者の方の年齢、それぞれ違うしもちろん家庭環境も考え方も違う・・・。

でも実はきょうだいの声を一番キャッチしなくてはいけないのかもしれない、だって一番声が小さいものだから・・・。(私は僕は大丈夫だからと時には「良い子」演じているだろうし)と、切なくも感じました。

今回のセミナーは、きょうだいの立場だけではなく、親、支援者など様々な立場の方が参加されたことに大変大きな意義を感じました。
それぞれの立場の思いを聴くことができ、今後の生活において、言葉や態度ひとつをとっても家族ひとりひとりに対してもっと尊重し思いやりを持って接していこうと思いました。

ありがとうございました。

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なかよし会は、自閉症児のきょうだい(小学生から高校生位まで)を対象としています。
新規の参加も大歓迎していますので、お気軽にお問い合わせ下さい^^

1月15日(日)きょうだい支援セミナーの報告【前編】


※京都府自閉症協会きょうだい部(なかよし会)主催のセミナーですが、しろくま会のメンバーも運営に関わっていますので、許可を得て、こちらのブログで報告させて頂きます。



当日は大雪だったにもかかわらず、京都・大阪・兵庫・奈良・滋賀・石川・広島から、参加者(2060代のきょうだい、親、支援者等)と登壇者・スタッフ、計39名が集まりました。
事前申込された方や前日の京都きょうだい会新年会で参加表明されていた方の中で欠席者が10名もおられましたし、当日参加も可能にしていましたので、天候が良ければもっとにぎわっていたかもしれません。


当日の流れは、このようになりました。

13:3013:40 開会挨拶
13:4014:45 成人きょうだい3名による体験談
ファシリテーター:松本理沙(同志社大学)
14:4515:00 <休憩>
15:0016:00 参加者同士でのグループディスカッション
16:0016:20 グループごとの発表
16:2016:30 なかよし会の活動紹介
なかよし会代表:田中一史(京都市児童福祉センター)
16:30~ 閉会挨拶・アンケート




成人きょうだい3名による体験談では、20代女性、30代女性、40代男性にご登壇いただき、1人あたり20分ほどお話いただきました。事前に、以下の内容に沿ってお話して下さいとお願いしていました。


【テーマ】「きょうだい」が何を思い、何に悩んで生きてきたのか。

1)子どもの頃から現在までの、きょうだいとしての体験を聴かせてください。
2)子どもの頃から現在までの間に、親や障害のある兄弟姉妹との関係にどのような変化がありましたか。
3)今のご自身の生活(住む場所や仕事など)に、障害のある兄弟姉妹から影響を受けた部分はありましたか。
4)親や周りの人たちから言われて嬉しかった言葉/嫌だった言葉を教えてください。
5)きょうだい会に参加したきっかけや動機、参加した時の感想を聴かせてください。
6)最後に、参加者の方に伝えたいことがあればお願いします。

5のきょうだい会に関しては、子どもの頃になかよし会に参加された方(大人のきょうだい会には参加していない)も、大人になってからきょうだい会に参加された方もいました。



グループディスカッションでは、1グループにつき5~6名の6グループに分かれてもらいました。司会進行は、なかよし会のスタッフが担当しました。

グループ分けの際は、きょうだい・親・支援者と様々な立場がなるべく混ざるように、そして個人的に把握している情報(家族構成や体験等)やメンバー同士の相性等も踏まえて、組み合わせを考えました。
たとえば、「同世代のきょうだいと話したい」というニーズを持っていた学生のきょうだいがいるグループに学生のきょうだいを組み合わせたり、双子のきょうだいが3名いたので、その3名を組み合わせたりしました。
ただ、組み合わせには限界もあり、全ての人のニーズに沿うことができたかは分かりません。

グループディスカッション後、各グループの司会進行者6名に依頼し、1名あたり3~4分で報告していただきました。
報告の中で、各グループで3名の体験談の感想が共有されたことに加え、以下のテーマがトピックとして挙がっていたことが分かりました。

きょうだいが障害のある兄弟姉妹を受け入れる、理解するとはどういうことか。

きょうだいが周りとの違いを感じた年齢はいつ頃か。

親ときょうだいの違いについて
(障害のある家族に対しての責任感や感情など)

親から子ども(きょうだい)に、どの段階で何を伝えていくべきか。

親の立場から、「将来、世話をしなくていいからね」と話してはいるが、それだけで大丈夫なのか。
(きょうだいに不安を持たせてはいけない、という親の思いから)

きょうだいの立場から、「親から、障害についてもっと話して欲しかった」。
(一方で、他グループからは、学齢期の子どもを持つ親御さんからの「いつ話して欲しかった?」という質問に対し、「いつが良かったかと言われると・・・」と答えに戸惑った、という声も)

親なき後の金銭管理について

親や支援者は、きょうだいの気持ちにまでは入り込めない。
(でも寄り添うことが大切!)


最後に、代表の田中一史先生から、なかよし会の活動紹介がありました。
なかよし会が「いい子からの解放」をコンセプトにしていることや、子どものきょうだい会から大人のきょうだい会に繋いでいく仕組みについて、共感の声が多くあがっていました(アンケートより)。

アンケートには、3名の登壇者への共感の声が多数書かれていました。
その一方で、きょうだいの多様性を感じたという声も多かったです。
また、きょうだい・親・支援者、様々な立場の人たち同士で意見交換できて良かったという声も多く頂きました。

3名の体験談について)周りから言われて傷ついたことばというのが、自分は「そう思う人もいるだろう」と受け入れていることばでした。きょうだいそれぞれ、同じだけどちがう。これは、障害の有無にかかわらず、だれしも全員にいえることなのかな、と感じました。一方で、やはり、きょうだい同士が話せる場は大切だと思いました。20代女性・きょうだい)

(グループディスカッションについて)私は障害のある弟のことをなかなか肯定的に受け止めることができていなかったので、障害のある兄弟のことは大好きだという方には少し驚いてしまいました。ただ、どちらが正解というわけではないと感じました。また、保護者の立場の方と初めてお話したので、自分の両親と照らし合わせながら聞くことができ新鮮でした。20代女性・きょうだい)

3名の体験談について)自分とはぜんぜん違う価値観が聞けてよかった。(グループディスカッションについて)親視点の話などは、自分の親にはなかなか聞けないので聞けてよかったです。20代男性・きょうだい)

(グループディスカッションについて)きょうだいでも色々な生い立ちがあり、定説はないのだなと思った。家庭環境なのか、性格なのか…生き方に大きな影響を与えていることも印象的だった。40代女性・親)

(グループディスカッションについて)親御さんが、将来のこととか、すごく早い段階からいろいろ考えてらっしゃるのが印象的でした。また、親は、子どもが産まれてから少しずつ受け止めていくが、“きょうだい”は当たり前のところから、学校等へ行って何か違うと気付いてそこからいろいろ考え始めるというのを聞いて、思ってもみなかった視点で勉強になりました。30代女性・保育士)


130日の京都新聞朝刊に、セミナーの報告を掲載していただきました。



京都新聞社会福祉事業団のホームページにも合わせて掲載して頂いています。
⇒ http://www.kyoto-np.co.jp/fukushi/topics/170130.html


【後編】に、親の立場の方2名の感想を掲載していますので、一緒にご覧頂けると嬉しいです^^


2017年1月26日木曜日

1月14日(土)しろくま会カフェ(20~30歳代のきょうだい会)&京都きょうだい会新年会の報告

しろくま会の参加者の構成(計11名)
性別:男性3名、女性8
年代:2010名(うち学生4名)、303名、401
居住:兵庫4名、奈良3名、京都2名、大阪・滋賀 各1
参加回数:初めて8名、2回以上4


京都での開催にもかかわらず、京都在住が少数派でした。
雪が降る中、遠方からもお越し頂き、ありがとうございます!


場所は、DESSERT  CAFÉ  YUKINOHANA 京都寺町店。
写真のお席を使用させて頂きました。




こちらのお店は、カキ氷のようなデザートを冬でも食べることができます。



全体で自己紹介の後は、2~3グループに分かれてフリートーク。

自己紹介の時に、教育を学ぶ学生と教育関係の仕事に携わる社会人の方、心理を学ぶ学生と心理関係の仕事に携わる社会人の方が偶然居合わせたことが判明したので、その組み合わせで席が近くなるようにセッティングしました。


遅れて到着された方が来られて全員揃ってからは、全体でのフリートークとなりました。


フリートークでは、

職業選択
(障害のある兄弟姉妹に影響を受けた方も受けていない方もいました)
彼氏/彼女にカミングアウトするタイミング
(特に結婚まで進展するか分からない時期に話すべきかどうか。既婚のきょうだいの体験談が共有されました)
友達へのカミングアウトの有無
実家を離れてからの家族とのかかわり
片親を亡くしてからの家族とのかかわり
親なき後の障害のある兄弟姉妹とのかかわり方(予定)
障害のある兄弟姉妹の癖やこだわり

等の話題が挙がっていました。

(※しろくま会の参加者の方に書いて頂いた感想は、一番下に載せています)



しろくま会の後は、京都きょうだい会の新年会会場「いろはかるた」へ。

京都13名、兵庫5名、大阪2名、滋賀2名、奈良2名の計24名が参加されました。
(そのうち、しろくま会から続けて参加された方は7名でした)

20代から70代まで、きょうだいの立場の方を中心に、親や支援者の立場の方なども参加されていました。



参加者の皆さんは、近くの席の方とざっくばらんにお話をされていました。


しろくま会&京都きょうだい会新年会にて、
前回のブログでご紹介させて頂いた『親心の記録』もお配りさせて頂きました。




後日、ある参加者の方(きょうだい)から、「父親に『親心の記録』を渡したところ、これからの準備について新たな視点を得ることができたと話していた。頂くことができて本当に良かった」という旨の話をお聞きできました^^


新年会の後、8名の方が2次会に行き、盛り上がりました。


以下、しろくま会の参加者の方に書いていただいた感想です。

●自分の兄弟について、明るい雰囲気で話せることがとても新鮮でした。
家族だけでは、どうしても話がいきづまり、暗い気持ちになってしまいます。
参加者それぞれの状況は違うのですが、何かつながれているような、思いを共有できているような感覚になりました。
求めているのは、「解決してもらうこと」というよりは他の人に言えずためこんでいるものに「寄りそってもらうこと」だったので、とてもありがたく思いました。
今日は、本当に参加してよかったです。ありがとうございました。

●とても楽しかったです。
きょうだいのクセや親とのエピソードに「あるある」と思うところがたくさんあって、こんな話が出来る場所は少ないと思うので良かったです。
同じような悩みをもつ人や、これから自分も悩むかもしれないお話をきくことができたのが良かったです。

●今日はありがとうございました。
きょうだい会自体に初めての参加でしたが、たくさんお話を聞けて、たくさんお話できて、新しい発見もあり、「同じこと考えてるんやー」とほっとすることもあり、すごく嬉しかったです。
同年代ということでお話しやすかったです。
また参加させていただけるといいなと思いました。

●今日初めて参加させていただきましたが、年が近い方々と同じような経験や悩みを共有でき、貴重な機会でした!
最初のように2つくらいのグループに分かれていたほうが11人の発言機会も多くなって、より発言しやすくていいなと思いました。
今日はありがとうございました!!

●皆さんが今までどう思われているのか、今までどう思われて来たのか、将来を考えて今どうされていか、など知ることができて、とても勉強になりました。
同じ障害のあるきょうだいでも、それぞれが直面している状況は異なって(当然のことなのですが…)それぞれの方の考えをきくことができて、楽しかったです。
人見しりなので、あまり話しませんでしたが、個人的には来れて参加できてとてもよかったです。
ありがとうございました。

●今回が初めて参加しました。リラックスした雰囲気で居心地良くお話できました。
「きょうだいの立場」は同じでも、それぞれの環境があることや将来の話は興味深かったです。また参加できればいいなと思いました。

●気軽にしゃべることができました。
これを機に自分なりに向き合えるようになればいいなと思います。

●しろくま会への参加は久しぶりですが、明るく楽しく話せて、来てよかったと思いました。
最近は、きょうだいのことをあえて沢山はしゃべらないですが、それが、何か隠し事をしているような気がしてしまうことがありますが、気楽に話すことで、その罪悪感が減った気がしました。

●新しい方が多く、毎回新鮮な話がお聴きできるので、とても参考になります。


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京都きょうだい会の次回定例会は、3月11日(土)です。
また、2月12日(日)に兵庫県三田市、2月19日(日)兵庫県伊丹市できょうだいに関する講演&きょうだい同士の交流会が開催されます。
詳細は、京都きょうだい会ホームページ「これからの予定」をご覧ください。
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