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2024年11月11日月曜日

9月14~15日 でてこいランドin大阪のご報告

 “一泊交流会”に全国から25名集まる

                                           旅の宿 葆光荘(大阪市天王寺区)

                  主催 でてこいランドin大阪実行委員会                                                                                    (関西地域のきょうだいの会)

2か月ごとの例会とは別に、一泊交流会を9月に開催しました。かつては、京都の「でてこいランド」(京都府の下山)を会場にしていましたが、2019年の秋に京都「でてこいランド」が閉鎖。その後、様々検討がされ、大阪天王寺駅すぐの葆光荘にて開催することに。そして、きょうだいの会の宿泊交流会と言えば『でてこいランド』と、名前が残りました。2回目の今年は、北海道、群馬、東京、滋賀、京都、大阪、兵庫、福岡から総勢25名。常連さんも初参加の人も、先輩方も若者も。それぞれの持ち寄りに、お土産で持参された地元のお酒やお菓子も広げて、遅くまで飲んで喋って。みな、兄弟姉妹に障害があるきょうだい達。そしてきょうだい支援に関心のあるお父さんの参加もありました。
ヤングケアラーという言葉を耳にする機会が増えましたが、私たちはロングケアラーです。ダブルケアラー、トリプルケアラー、グリーフケア…もはや〝きょうだい〟の一言では言い表せない様々な背景も持ち合わせつつも、おたがいが〝きょうだい〟であることの安心感で過ごせる貴重な時間、優しさの詰まった交流会でした。

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参加された方々から、当日の雰囲気が雄弁に伝わる多くの感想が寄せられています。


・大阪府 30代 男性
今年の7月に「日本のチカラ」を拝見いたしました。この番組は、障がいを兄弟にもつ方々の苦悩や思いを語られていた番組でしたが、その中できょうだい会の存在を知りました。私も重度の知的障がいの弟がいるのですが、皆さんが過去に経験されたお話にとても共感し、自分だけではなかったんだという思いで当時を思い出し、同じ思いをされている方がこんなにもいらっしゃるんだと、なぜか涙が止まりませんでした。これから「きょうだい会」に参加して、同じ境遇だった方と繋がり、色んな思いを共有しながら明るい未来を語り合いたいって思いで、きょうだい会大阪、全国のきょうだいが集まる【でてこいランド】に8月9月と参加しました。皆さんとそれほど言葉を交わさずとも共感しあえて、話が尽きずのあっという間の楽しい時間でした。みんながありのままの気持ちを自由に表現できる雰囲気がとても居心地が良かったです。今まで障がいを兄弟にもつ仲間がほとんどいなかったですし、辛かった気持ちを共有共感する機会がなかったので、今まで長年きょうだい会の運営や活動の為に尽力されてきた方々に本当に感謝です。
当時辛い思いをした10代20代でしたが、人生を諦めなければ明るい人生や希望が待っていることを当時の自分自身に伝えるかのように若い世代の力になれればと思っております。今回は本当にありがとうございました!

・兵庫県 60代 女性
18年位前に「全国きょうだいの会」に入会したものの、昨年春頃までは「つくし」を拝読するだけの幽霊会員だった私でしたが、今年9月14日ついに噂の「でてこいランド」に初めて日帰りで参加致しました。参加後の気持ちを言葉にしますと・・・ハリセンボンの近藤春菜さんのような人が、姪っ子的に出迎えてくれて、「おばちゃーん。ゆっくりしていきなよ~」と言ってくれる感じ。親戚の集まりのようだ~田舎の実家だ~ホッとする場所~居心地が良い~。皆さん初めて会う人もいるのに、ずいぶん前から知っているような気持ちだぁ~。上手く話そうとしなくてもありのままの自分で良いんだぁ~。
最後になりましたが、葆光荘の女将さん、従業員の方々、お世話になりました。そして何よりも「でてこいランド」運営委員の方々、暑い中お疲れ様でした。本当にお世話になりました。有意義な楽しいひと時を持てました。心より感謝致します。

・兵庫県 60代 男性
2日間とてもお世話になりました。感謝しております。以前よりずっと噂に聞いていた「でてこいランド」。何度もお誘いも受けていましたがなかなかチャンスがなく今回初めて参加できました。初対面の方、お久しぶりの方、スタッフの皆さまはじめ参加者の皆さんのアットホームな雰囲気で直ぐに馴染むことができました。きょうだいの集まりの最大の強みですね。遠くから参加されている方も居てビックリしました。個人的には、自分の引き摺っていた一番しんどかった頃(弟が4年前に病死とその治療方針に悩んだ時)のことを打ち明けたり、それをしっかりと初対面でも受け止めてくれるきょうだい仲間に出会えて(当時も神戸きょうだい会の皆さんに支えてもらえていたのですが)心がとても軽くなりました。宿泊イベントは運営側はとても大変だと思いますが、やはり時間を気にせず、夜を通して本音で話ができることはとても有意義だと感じました。
神戸しあわせの村で開催するLoveクローバーの会も、宿泊をメインに考えているイベントです。神戸きょうだい会ともども今後ともうまくコラボできればと思っています。

・大阪府 50代 女性
先日はありがとうございました。初めて「でてこいin大阪」に参加させていただきました。日常や、目の前の課題に振り回される日々の中、気兼ねなくそれを開示できて、お喋りも楽しくてありがたい経験でした。終わってみると、きょうだいの話をきょうだい会以外でするのは私に取ってハードルが高くて、それなら透明になって黙っておこうと抑圧をかけていた自分に気づきました。お誘いいただいて本当にありがとうございます!今後ともよろしくお願い致します。

・京都府 50代 女性
年齢も職業も様々な背景も違うけれど、余計な説明がいらない、お互いが『きょうだい』であるという安心感。1人1人が抱えていることをさらけ出せる。私も多くを説明しなくても共感してもらったり、忌憚ない意見に抵抗なく聞くことができる。これも家族とはまた違う、『きょうだい』であるという安心感がもたらす効果なんだと思いました。私は、例年は子どもも一緒に連れてきていたのだけど、今年は一人で身軽に参加したおかげで、十分に自由で楽しい時間となりました♪年に一度、地域を越えてリアルに会い、気兼ねなく喋り尽くせる場があること幸せです。それから各地のきょうだい会活動をされている様子も聞き、色んな形があって勉強になります。私の場合、遠方に住む母や弟のこと。母の意思があり思うように進まないジレンマ。そして万が一、自分が動けなくなったり亡くなるなどしたら目の前の夫や娘に影響するかもしれないという不安。同じように考えていらっしゃる方がいることで〈自分一人ではない〉ということに安堵したり、すでに親なきあとの対応をされた先輩たちの話に深く考えたり。楽しさも学びも含めて皆さんの優しさの詰まった交流会だったと思います。
でてこいランドの名前が残っているのもいいですね。初参加の人も前からの知り合いみたいに参加できるのが、この宿泊交流会の面白さなんだと思います。
様々な境遇にいるきょうだいたちが、これからも気軽に各地のきょうだい会と出会ってくれたら良いなぁと思います。

・兵庫県 40代 女性
前回のでてこいランドへの参加が、初めて自分の意思できょうだいの方と対面した場面でした。それから一年半経って今回のでてこいランドに参加して、その間にきょうだいの方々と出会えたことや考えたこと、経験してきたこと等を思い出しながら、しみじみとお酒を呑んでいました。きょうだいという共通の立場を持つ方にお会いすると、子供時代から家族のケアの渦中に晒されながら、決して親とは同一化出来ない感情や悩みを抱えて生きてきた経験を共有出来る気がします。初対面でもどこか身内感があって、心が寄せられると思えるところに魅力を感じています。でてこいランドでは、そんなきょうだいの方々と一緒に、気張らず時間を気にせず、気が向いたらお酒を飲みながら、誰かの話を聴かせていただいたり、自分の話を聴いてもらえることが出来て、とても楽しかったです。
きょうだいあるあるの悩みや、あるあるの影響を受けて更に自分の個性も絡まり、独特だけど深刻な悩みをお酒を飲みながら話すと、同じ立場の人が真剣に耳を傾けて聴いてくれて、言葉を返してくれる。その体験が、自分でぐるぐる考えるループからどこか抜け出せる感じがして、面白い感覚だなと思いました。きょうだい共通の悩みと、同じきょうだいだけど違うところ、どちらも認められる居場所があれば、安心感と同時に、自分のために何かをしたり新しい世界へ踏み出すことが出来るのではないかと思います。きょうだいという「孤独」で「可哀想」で「世間からは他人事」で、「苦労」で「困った」テーマを抱えて生きてきた自分から、これから自分は何が出来るのかな?という気持ちでお話しをさせていただける時間もあり、楽しい時間を過ごさせていただきました。でてこいランドがこれからも続き、また続けていければ良いなと思います。

・京都府 50代 男性
多くの参加者がいらっしゃる中、唯一親の立場での参加でした。普段の例会後も最近は懇親会で交流を深めるようにしていますが、やはり、泊まりのイベントでお酒を酌み交わすことで、いつもの何倍も距離が近づくと感じます。交流会の前半は、ほぼほぼみなさんの長〜い自己紹介で終わってしまいますが、みなさんの人となりが良く知れて大変良かったです。
支援者や専門家と言う立場もありますが、親の立場の私が、ものすごくナチュラルに溶けこみ、交流したり、意見を交わせることこそが、とても意味のあるとことだと感じました。来年も、是非とも参加したいと思います。色々ご準備ありがとうございました。

・東京都 60代 男性
まあ、一言で言うと騒々しいくらいにぎやかでした…あっ、こりゃ失礼。明るく元気で、そして勇気をもらえる宴でした(遅いか)。僕もあいさつさせてもらいましたが、何たって僕の話は聞いちゃいない (僕は会長なんだけど)。リーダー格のUさんは、去年酔っぱらって椅子から落ちて尻もちをついたので、今年はきちんと背もたれのある椅子を使っていました…。ちゃんと学習しているなと、妙なところに感心してしまった自分がそこにはいました。そのUさんからは「Hさん、もっと図々しくいかないとあかんよ。」とはっぱをかけられ、またその他の参加したきょうだいのみなさんからも元気や勇気をもらいました。何度も書いてきましたが、こういう障がいのきょうだいのことも含めて、何でも言い合える会は必要で、日本全国に拡がってくれればと思います。自分は一人じゃない、こんなに仲間がいる、そう感じてもらえれば…。それこそがこのでてこいランドが続いている秘密でもあると思います。きょうだいたちは日本全国に居ます。勇気を出してきょうだいの会に参加してほしい、そういう思いを強くした宴でもありました。最後になりますが、この会を準備・運営してくださった京都・大阪等、関西地域のスタッフの皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。感謝申し上げます。いつかお互い余生を送るようなことになったら、有馬温泉にでも一泊旅行しましょう。きっとそれはまだまだ先の話だと思いますが…。何はともあれ、今後ともよろしくお願いします。

・大阪府 60代 男性
今年も広くは北海道や福岡、会長も東京から参加してくれるなど、多くの参加者がありました。でてこいの伝統を大阪の地でも引継ぎ、特に何を決めるでもなく、ただそれぞれが話をし、話を聴く。それがマンツーマンであったり、グループになったり、グループが分かれたりと自由な雰囲気は相変わらずと思わせる。自己紹介の際における司会者の話の進め方、チャチャの入れかた、周りからのツッコミなども相変わらずである。深刻な話の中にも、分かり合えるという信頼感が根底に流れているという雰囲気は安心して心情を吐露できるものがある。今後も引き続き開催してほしいと感じているところである。

・大阪府 50代 女性
今回は自己紹介シートを利用することで、その人となりを知ることができて、テンポよく自己紹介が進んで良かったと思います。きょうだいの障がいや、悩みを話すことももちろん大切ですが、自分自身が今ここを楽しむ、この経験がこれまでの私には欠けていたような気がします。周りの役割期待に応えて喜んでもらえることが嬉しくもあったのですが、私自身は楽しくなかったんだと改めて気づきました。これもきょうだいあるあるかもしれませんね。遅れてやってきた修学旅行を楽しむかの様に、今、青春を謳歌している気分です。参加されたみなさま、ありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています。

・兵庫県 70代 女性
昨年に引き続き泊りで参加させていただきました。今回はYさん発案の自己紹介シートのおかげで自己紹介がスムーズに進みました。しかもそれぞれがより一層深い話しをされたのが良かったと思いました。しかし、恒例の子どもさんの参加がなかったので少し淋しいものになりました。Iさんと一緒に受付と会計を担当しましたが集中力が落ちてきているので、スタッフを若い方々にバトンタッチできれば有難いと思いました。この会のニーズが大きいので今後も継続することを願います。

      (編集の都合上、頂いた原稿の
一部を加工修整しております。ご容赦下さい)

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「でてこいランド」
が大阪で復活して2回目の一泊交流会でした。
それぞれが体験して来たことや心の変遷を口に出し合える機会は貴重な時間だったという感想を多く読ませて頂き、励まされました。個別にも参加者同士のつながりが深められている様子を拝見し、開催して良かったなと改めて思いました。
きょうだい支援のことにようやく光が当たり出して来た昨今ですが、まだ緒についたばかりです。モヤモヤを抱えているきょうだいにはまだまだ届いていないのが現状です。
地道ではありますが、横のつながりを作って行く活動の意義は想像以上に大きいものがあると思っているところです。






















2024年8月1日木曜日

7月13日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計14名(対面)

 性 別:男性8名、女性6名

 年代別:20代2名、30代1名、50代7名、60代2名、70代2名

 居住地:京都府9名、大阪府4名、滋賀県1名

 参加回数:初参加者4名、2回以上10名

 参加者の立場:きょうだい11名、親2名、姪1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい、難病


今回も初参加者が4人。インターネットやヤフーニュースを見て、参加して来られたそうです。初参加の人やリピーターさん(これまでの例会に参加歴のある人)のお話しを中心に、きょうだいや障がい者家族の話題を交換することが出来ました。
母親がきょうだいの立場だったという学生さんのお話しが新鮮で、新たな角度できょうだいの問題に光を当てることが出来ました。長い人生経験を経て来た人の、「時にはのんきになることも必要だ」との味わい深い語りも心に響きました。解決策のヒントや情報提供、メンタルケアについての助言なども出されて、中身の濃い例会になりました。
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主な内容を点描しておきますと、

・本人の介護をして来た母が倒れたり、本人の家庭内暴力や相続問題でも大変な体験をしたが、そこから得られた教訓を他のきょうだいにも伝えることで、役に立てればいいなと思っている。一方、別のきょうだいからは、これまで周囲の人にきょうだいがいることをカミングアウトして来なかった、親亡き後の展望が見えない・・・などの語りがあり、体験の濃淡は多様ですが、深いところでは通じ合えるものがあることが伺えました。

・母がきょうだいの立場だったので、今までよく対話を重ねて来た。母から、「障がい者に対してマイナスのイメージを持って欲しくない」とよく聞かされて来た。親ではない親族(きょうだいや甥・姪など)も親に比べれば距離に違いはあるが、共通点があるのではないかと考えており、卒論のテーマにしたい。

・障がい者や家族に対する偏見は根強く存在し、支援者側に立つ人でも「家族が看てあたり前」という発想がなかなか改善されないが、旧優生保護法の最高裁判決のように歴史を変えられることもあるのだと思って世の中を見ている。

など、広範囲にわたる発言が交わされました。

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以下は、参加者から頂いた感想やメッセージです。

・きょうだいのことを、今までに普段の生活でなかなか語り合う機会がなく、とても貴重な会でした。今までのこと、これからのことを振り返ったり、考える機会にもなりました。今までを振り返っても、幼少期から気づかずに抱え込んでいた部分もあったと少し冷静に思えました。いろんな人とお話する時間をまだまだ大事にしたいと思いました。

・今まで何かあれば自分で調べ、その時々に良いだろうと思う事を選択してきましたが、自分が年齢を重ね、この先今までと同じように対応できるか不安があり参加させていただきました。年代も職業も異なる方が様々な経験を経て会に参加されていて、自分の知らない知識を得ることができる場があることに安心感を持ちました。

・予想してはいましたが、私よりはるかに大変な経験をした方のお話を伺い、これでも私はまだ運がよかったんだなと痛感しました。若い方々の今後が、私の時より少しでも平穏無事であることを願わずにはいられません。そのためには、私達が体験したことを、何らかの形で伝えることは、大事ではないかと思っています。実際、一般の人に「きょうだい」の意味を尋ねても、わからないので・・・。またお伺いできれば、もっとざっくばらんな会話も、してみたいです。あのTV番組、映画、どう思う?等・・・。機会あれば、よろしくお願いします。

・今回は2回目の参加でした。初参加時は、自分の話しを聞いて頂き、こんなに受け止めてくださる方がおられ有難かったです。初参加の方のお話しをしっかりと聞かせて頂く中で思ったのが、人それぞれに、違った形で苦労や想いがある事でした。そしてこの、京都きょうだいの会が、41年も続き歴史と重みを感じました。参加しようか?悩んでおられる方は是非ともご参加下さい。貴方の思い=重い をみんなで受け止め、そしてベテランの先生方や、障害者支援の方など的確なアドバイスが頂けます。とにかく、繋がる事が大切だと思っています。

・先日は定例会に参加させていただきましてありがとうございました。母親の介護認定のことなど、色々とアドバイスいただき、少し道が見えてきました。色々と進めてる間、"あれだけ虐待されていたのに、なぜ私がこんなことしないとダメなん?"と、思うところはあります。これだけしても、両親は、「もっとして欲しい。」です。自分の心が壊れないように、適当にしていかないとダメだと思いました。また、参加させていただきます。ありがとうございました。

・きょうだいはたくさん辛い思いをしてネガティブな感情を持っていても、否定せずに受け止めてくれるから、リラックスして本音を話すことができ、初回から私は誰よりもきょうだい会を楽しんでいると自負しておりますが、今回は初参加から私以上に楽しんでおられる方がいらっしゃることに驚きました。きょうだい会にニュータイプ登場!その方のお話を聞くうちに人生楽しんだもの勝ちだ、私は楽しんで良いのだと改めて気づき、例会での楽しみがまたひとつ増えました。今後とも宜しくお願いします。

・ここ数回の開催は、会の終了後、近隣の居酒屋さんで懇親会をして、結構多くの方にご参加頂いてます。この懇親会の意味合いも結構大きいなと最近感じてまして、ひょっとしたら、きょうだいさんは、こういう飲み会の時に、本音で喋れる場って以外と少なかったのかなとか、これまでの飲み会の場では、なんだか周りに気を遣っていたのかもとか。気軽に飲めて、良い場だなと感じてます・・・。

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全国的にケアラー支援条例制定の動きがありますが、京都市でも準備がされています。9月市会において、市会議員全員の共同提案により、全会一致で可決が目指されているところです。ケアラー支援条例(仮称)制定プロジェクトチームにより、関係団体及びケアラー当事者に意見募集があることを知りましたので、例会で出されている声を意見書にまとめ、提出しておきました。(他の団体や当事者の声とともに京都市市会ホームページで公開されています。「京都市市会ホームページ」・「ケアラー支援条例」と検索すると見ることが出来ます)

なお次回例会は、9月に大阪で行う一泊交流会(でてこいin大阪)と日程が重なりますので、喫茶みどりでの9月例会はありません。「でてこいin大阪」の参加も可能ですが、会場のスペースの関係で、申し込み制です。詳しくはホームページの「これからの予定」を参照してください。





2024年5月31日金曜日

5月11日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計12 名(対面)

 性   別:男性 5名、女性 7名

 年代別:30代 1名、40代 3名、50代 6名、70代 2名

 居住地:京都府 9名、大阪府 1名、兵庫県 1名、滋賀県1名

 参加回数:初参加者 3名、2回以上 9名

 参加者の立場:きょうだい 10名、親 2名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい、難病

 
京都きょうだい会5月例会は無事終了しました❗️
京都、大阪、滋賀、兵庫から12名参加(内初参加3名)され、嬉しい事に2回目以降のリピーターも増えて来ました。
終了後も会場の外で個別の立ち話が続き、更に近所の居酒屋での2次会に9名も参加があって盛り上がりました❗️

率直な語り口で自己紹介された方に刺激を受け、他の参加者からも飾らないお話しが出ました。障がい者家族の様々なドラマが紹介され、共感出来る場面が多くありました。
今後自分はどう生きるかに想いをはせる言葉も聴くことが出来、きょうだいの想いが一層深く掘り下げられた気がしました。

以下は語られた発言の一部です・・・

子どもの頃の体験
 
・周囲からひどいいじめを受けたこと。両親からも虐待(ネグレクトや暴言)を受け、
  辛かった。
 
・家庭は障がいのきょうだいが中心に回っており、親から基本的な養育を受けられず
  
社会性が身につかないで苦しかった。
 ・自分が親の年代になってから、かつての自分はヤングケアラーだったことに気づい
  た。

成人期の体験
 ・親が兄の障がいを認めることが出来ず、家庭内は荒れていた。やがて親も認知
  症になり、出口が見つからず、多難な時期を経験した。制度の利用が出来、今よう
  やく穏やかな日々を迎えている。

気持ちを理解してもらえない辛さ
 ・
優しいねと思われるイメージと現実の自分とのギャップを思うと苦しかった。

自分を見つめ直す
 ・
例会に参加し、自分が経験したことは決して特殊なものじゃないことが分かっ
  た。
 ・先日きょうだいを亡くしたところだが、今後きょうだいが持っていた障がいの分野
  で役に立ちたい気持ちが湧いて来ている。

 ・きょうだいと親のダブル介護で辛い日々が続いたが、自分の苦しかった経験を伝え
  ることに人生の意味を見つけたい。


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参加された方から感想が寄せられていますので、紹介しておきます。

・ネットで見つけ、初めて参加させていただきました。初参加と言う事で、自分の話を 
 十分に聞いていただき有り難かったです。皆さま、それぞれ立場は違えど、障害のあ
 る兄弟がおられご苦労されているお話を聞かせて頂きました。自分は何も出来ないで
 すが、せめてお話を聞くという事できょうだい会の方の気持ちが少しでも楽になられ
 たらなぁと思っています。休憩時間もお話が絶えることなく、充実した会でした。そ
 してとても暖かい雰囲気に包まれていました。アフターでの居酒屋での皆さまの笑顔
 が素敵でした。次回も参加させて頂きたいです。会の片隅に置いて頂けたら幸いで
 す。
どうか、これからもよろしくお願いいたします。

・先日は定例会に参加させていただきましてありがとうございました。元きょうだいの
 方のご意見、お話し、色々と聞かせていただき、とても勉強になりました。親の介護
 問題、妹の親亡き後の問題、色々とありますが、少しずつやって行こうと思いまし
 た。ありがとうございました。

・今回も多くの初参加の『きょうだい』さんがいらっしゃいました。涙ながらに体験を
 語る方。人前で話すのが苦手で、なかなか話出せない方。辛い経験もしてきたが、こ
 の経験がこれからの『きょうだい』さんの何かに役立てられないか。私は、障がい児
 の親の立場と専門家や、支援者の立場で参加させて頂いてますが、今日は聞き役に徹
 しました。私のこの経験もこれからの『きょうだい』さんの為になるよう努めて参り
 ます。

・すごく険しい表情で初参加された方がおられました。その方が自身の「思い」を話さ
 れるたびに表情が少しずつほぐれてきたことが印象深いです。「思い」がよほど「重
 い」ものだったのでしょう。京都きょうだい会は、そんな「重い」ものを降ろせる場
 所なのだと改めて実感しました。その初参加の方も帰路には、すごく穏やかな表情に
 なられ、見ているこちらもうれしくなりました。
 
・今回は身体障がいの姉を持つ方の、辛いのは姉のほうだと気遣いながらもご自身の葛
 藤を語る姿に、話しづらいことばかりだろうにと胸が熱くなりました。きょうだいの
 数だけ悩みがあり、実際に悩みを解決したくて来る方もいらっしゃると思いますが、
 どんな思いを持っていても良い、ありのままの自分を受け止めてもらえたと参加者が
 感じられる事が何より大切だと私は思っています。参加歴の少ない方がもっと話した
 いと思えるような例会にしていきたいですね。今後ともどうぞ宜しくお願いいたしま
 す。


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アメリカで長年きょうだい支援に取り組まれて来たドナルド・マイヤー氏が述べられている言葉ですが、「きょうだいから語られる『得がたい経験をした』という感情は、苦労の末に得られたものである」ことを忘れてはならないと思います。

これからも、それぞれが体験した意味や心境をじっくり傾聴し合える例会にして行きたいと思います。

次回は7月13日(土)です。お待ちしております。










2024年4月5日金曜日

3月例会のご報告

 参加者:計13 名(対面)

 性   別:男性 6名、女性 7名

 年代別:30代 1名、40代 4名、50代 6名、70代 2名

 居住地:京都府 11名、大阪府 1名、奈良県 1名

 参加回数:初参加者 4名、2回以上 9名

 参加者の立場:きょうだい 10名、親 2名、支援者 1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい、難病

                                                                                    

今回も初参加者が多く、リピーターの方も2名来られ、にぎやかな例会となりました。テーマは決めずフリートーキングで、思い思いに体験や現状、心境などについて語り合いました。

年齢層は40代50代の方が多く、話題は「障がい者本人や親の高齢化に伴い直面している内容」が中心になりました。自己紹介の中で「人前で話すのは苦手だが勇気を出して参加した」という方が何人かおられましたが、語り出すと次々と想いがあふれ、時間が足りないほどでした。

出て来た発言を拾ってみますと

・きょうだいと親のダブル介護の問題に直面している。

・障がいのあるきょうだいも高齢化に伴う変化が見られ、今までとは違う対応を考えな 
   ければならなくなった。

・親に代わってグループホームの週末帰省や通院介助などを引き受けていることの負担
 と、負担に感じる自分への後ろめたさを抱えている。

・後見制度の利用も考え始めているが、有効な解決策になるのだろうか。

・相談支援の窓口では伴走してくれない実態がある。障がい者本人だけでなくケアラー
 にも支援が欲しいと切に思う。

・自分らしく生きる為に、この頃自分自身の観察をするようになった・・・・。

・対面での例会の意義は大きいと感じている。オンラインの例会では伝わらない部分が
 あ
る・・・。

などでした。中高年になると課題はより具体的になって来ます。「社会から求められる役割」と「自分自身の人生」との間で葛藤している状況や、解決に向けて模索している姿が見えて来ました。
聞き手の参加者からは、制度情報の提供や「多くのきょうだいが同じような課題を抱えており、一人ではないこと」「自分自身を大切にすることの重要さ」などの助言も伝えられていました。

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参加された方から感想が寄せられていますので、紹介しておきます。

・はじめて、きょうだい会に参加させていただきました。今まで、自分と同じきょうだ
 いの立場にある方とじっくりお話ししたことはなく、とてもよい機会になり、思い切
 って参加して本当によかったと思います。将来の不安に対しても、気持ちの面でも共
 感していただき、制度的なことなどのアドバイスもいただけて、ほっとすることがで
 きました。そして、自分のためにも行動していこうと思います。また参加させていた
 だきたいです。

・先日は、例会に参加させていただきましてありがとうございました。きょうだいの悩
 みは、きょうだいの方に相談することが解決への近道だと改めて思いました。インタ
 ーネットの情報では一般論が書いてあり、きょうだいの私には当てはまる事もなく、
 モヤモヤしていました。久しぶりの参加になりましたが、参加させていただいて本当
 に良かったです。また、参加させていただきます。ありがとうございました。

・日頃、自分だけで考えていると、閉鎖的になり、ついネガティブに寄ってしまいます
 が、きょうだい会のみなさんの様々なお話を聞くと、心に風穴があくような気がいた
 します。それぞれの実体験からくる生きた意見は、とおり一遍ではなく参考になりま
 す。悩みは尽きず、スカッと解決することも難しいですが、いろんな方のお話、ご意
 見を聞くため、これからも参加させていただきたいと考えております。

・毎回多くの新規のきょうだいさんが参加されることに驚かされます。まだまだきょう
 だい会のことを知らない方々がたくさんいらっしゃるのだろうなと想像します。コツ
 コツと途切れずに定期開催する意味は改めて大きいなと感じました。

・私は、この世知辛い世の中、誠に微力ではありますが苦しんでいる人や悲しんでいる
 人に寄り添いたいという想いで、本業とは別に時折ボランティア活動に参加しており
 ます。昨年12月に京都市福祉ボランティアセンターが主催したセミナーにおいて、
 京都きょうだい会の奥真木さんのお話を聴いて、この例会に是非参加してみたいと思
 いました。その理由は、私は今、ある知的障害者施設の更生部で時折ボランティア活
 動をしておりますが、そこには本当に様々な障害をお持ちの方が多数おられ、毎日大
 変な想いをしながら生きておられる方も見受けられます。その中には、ご家族の面会
 が殆どなく、もう見放されてしまっているのではないかと推察されるような方も多く
 見受けられ、また、思うように外出もさせてもらえず、いつも“外に出たい出たい”と
 懇願してくる方もおられます。私は、その様な方々と接している内に、ふと,『なぜ
 この方々はこの施設に来るようになり、また、なぜ思うように外にも出られずにいる
 のだろうか?』という疑問を抱くようになりました。残念ながら、その回答を障害者
 ご本人からお聞きする事は大変難しい状況なので、色々と情報を探している内に前述
 の奥真木さんのお話を聴く機会を得て、京都きょうだい会の存在を知る事ができまし
 た。障害者支援に関する各種法案が逐次整備され、社会においては何かと障害者ご本
 人に注目が集まりますが、この3月例会に参加して障害のある兄弟姉妹を持つ方やご
 家族を持つ方のお話を直接お聴きした事により、実はその陰では、そのご家族が障害
 者ご本人以上に大変な想いをしながら毎日の生活や人生を歩まれている事を知り、私
 自身とても大きな衝撃を受けております。私の中には、まだまだ多くの疑問を抱いて
 おりますので、もし都合が合えば5月例会にも是非参加させて頂きたいと思っており
 ます。今後とも宜しくお願い致します。

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今回の例会で特に印象に残ったのは、私たちは伴走をしてくれる支援を求めているのだという言葉でした。きょうだいが求めているものの輪郭が見えて来た気がします。

次回は5月11日になります。遠慮なくお越しください。









                             

2024年2月1日木曜日

1月13日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計14名(対面)

 性   別:男性7名、女性7名

 年代別:20代2名、40代4名、50代4名、60代3名、70代1名

 居住地:京都府6名、大阪府1名、兵庫県4名、滋賀県2名、奈良県1名

 参加回数:初参加者7名、2回以上7名

 参加者の立場:きょうだい11名、親2名、本人1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい、慢性の疾病



今回も14人の参加者のうち半数が初参加の方々でした。遠方からの参加者も多く、時間や交通費もいとわず顔を見せて頂き、話題が広げられたこと、とてもありがたく思っています。
いろいろな参加動機・・・自分がきょうだいという当事者であることに気づき、インターネットで会のことを調べて参加した、会のことは以前から知っていたがなかなか参加するまでの決心がつかなかった、日程が合わなかった、オンラインではなく直接対面できょうだいの話をしたくなった等々の参加の動機を聞くと、いつも心のどこかに「きょうだいとしての自分とは何か」という課題を抱えているきょうだいの状況を想像します。
参加をきっかけに、何かしら自分を客観的に見られるようになったり、次の一歩を見つける機会になれば、きょうだいの会としての役割があるのを感じます。
続きに新年会を控え、少々あわただしかったかもしれませんが、場面が変わることでさらにホンネを語れる時間も作れたのではないでしょうか?
「きょうだいの漠然とした不安」「障がいに対する向き合い方」「出生前診断をどう考えるか」「相談窓口でのかみ合わない体験」などで共感をし合えた例会でした。
参加者から感想やメッセージが届いていますので、紹介します。

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・悪くなっていくきょうだいの病気、年老いていく両親を目の当たりにして、いてもたってもいられませんでした。きょうだい会は去年からずっと気になっていたのですが、初めて例会に参加させて頂きました。皆さん優しい方達ばかりで真剣に話を聞いてくれて、それぞれの立場からのお話が聞けたので、大変勉強になったし、励みにもなりました。今後は距離感を守りながら、手を貸すべきときには動けるように見守っていけたらと思います。

・普段は伊丹きょうだい会に参加しているので、いつもと違うメンバーの方々と一緒に例会に参加させていただきました。参加前はメンバーが違うと例会の感じも変わるのかな?と予想していました。参加してみると、皆さんの境遇は一人一人違うけれども、きょうだいとしてのわだかまりをお互いに感じたことがある人同士で話し合える安心感がありました。また、様々な世代の方々と一緒にお話しを聴いたり聴いてもらえる安心感もありました。これらは、伊丹きょうだい会に参加して感じている気持ちと同じものでした。これらの安心感が、各地できょうだい会が必要な理由なのかもしれない、と思いました。神戸きょうだい会の方々等、遠方から参加された方々ともお知り合いになれて楽しかったです。

・京都きょうだい会の例会には2回目の参加でした。前回も今回も初めての方が複数参加されていて、とても活気ある中に、お世話をされているベテランのきょうだいさんの居る安定感もあり心地よい時間となりました。参加者の皆さんの切実な悩みやこれまでの生い立ちなど、お一人お一人について、充分な時間は取れませんでしたが、ふだんは口に出せないような事柄も自然に出てくることがこのきょうだい会の独特のステキな雰囲気なのだと思います。

・初めての方も、久しぶりの方も居て、新年会も楽しかったです。例会中、私は、京都市福祉ボランティアセンターの事業「思いを聴く~当事者・当事者家族の思い~」講座で昨年12月にゲストスピーカーで話したことなどを報告させていただきました。当日準備した資料も交えて簡単に報告しました。きょうだいとして弟のこと、母とのこと、制度についてなど。他のきょうだいたちにも、誰かに思いを聴いてもらう機会がつながるようにという思いで話しました。

  全文は上記をクリックしてください。以下は抜粋。
 障がいがある本人も本人なりの人生があり、そのための制度があり、きょうだいはほど良い関係で十分。だから、私たちきょうだいも‟一人の人として”自分なりの人生を作っていこう。不安に感じたり、誰かと話したいと思ったら、どんな些細なことでも大丈夫なので、京都きょうだい会やお近くのきょうだい会にお越しください。それから新年会があったおかげか、関西近県にお住いの方たちがいつも以上に来てくださって、お互いに気兼ねなく話ができるのは嬉しいなと思いました。

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報告とお知らせです。

・京都市福祉ボランティアセンター発行の月刊誌「ボランティアーズ12月号」では「きょうだい」が特集され、他のきょうだいの会と合わせて当会の紹介記事が掲載されています。

・Loveクローバーの会(きょうだい支援の会)から1泊交流会のご案内
    「神戸きょうだい会」の関係者や「Loveクローバーの会」の実行委員会の
    元に、たくさんの「きょうだい」当事者やご家族、支援者などからの悩み
    やホンネ、将来の夢などが託されて来ました。大きなことは出来ませんが
    参加者みんなで共有・共感できる時間や空間を作れたらいいなあと思って
    おります。
    開催日時:2024年3月16日(土)15時~17日(日)11時
    開催場所:しあわせの村 野外活動センター「あおぞら」(神戸市北区)
    対象者:趣旨に賛同する兄弟姉妹、ご家族、その支援者、ボランティア
    参加費:1泊2食のフル参加で7,000円(高校生以下6,000円) 
        部分参加の方は会場費1,000円、夕食1,300円、宿泊2,200円、朝
        食1,000円を目安にしてください。
    申し込み:次のメールアドレスまでお送り下さい。
         黒田 tkurodakobeuken@gmail.com
    締め切り:2024年2月17日
    主 催 :Loveクローバー実行委員会

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次回は、3月9日(土)午後6時~9時 喫茶みどりで開きます。お気軽にお越しください。

















2023年12月1日金曜日

11月11日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計14名(対面にて)

 性 別:男性10名、女性4名

 年代別:20代2名、30代2名、40代4名、50代3名、60代2名、70代1名

 居住地:京都府11名、大阪府2名、兵庫県1名

 参加回数:初参加者5名、2回以上9人

 参加者の立場:きょうだい11名、親2名、支援者1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい、難病

今回も、初参加者の申し込みが多くありました。自分の気持ちを語る場、他のきょうだいの思いを聴きたい場を求めるきょうだいが想像以上におられることに改めて、気づかされています。神戸できょうだい会の活動を長くされて来られた方や卒論の研究協力を求める人、京都市福祉ボランティアセンターの職員さんの参加もありました。

出て来た話題を大別すると、「高齢期を迎えた親や障がいのあるきょうだいの今後」「きょうだいの気持ちの整理」「きょうだい会の存在価値」についてでした。

それぞれの背景は多様ですが、傾聴の空気感の中で一人一人の心の奥底からの言葉が発せられ、それを聴いた各自が自分に照らし合わせて自身を見つめ直してみる・・・そんな時間が共有出来ました。

琴線に触れる言葉の数々が残っています。

親の介護力の衰えの中で
・遠距離に住む母と弟の今後のステージを模索している。弟の爪が長く伸びたままになっているのを見て、母の介護力の衰えが想像出来る。次のステージをどうすればよいのか、手探りの日々が続いている。

きょうだいとしての体験が与える影響について
・兄中心で回っていた家族の中で、自分の人生を生きている気がしなかった。大人になる過程で社会性を身に着けることが出来なかった。兄を亡くした今でも、感情の波に揺れる時がある。今からでも遅くないと思い、自分を取り戻す作業を続けている。
・仕事で家庭訪問をしていると、きょうだいの姿勢には両極端に分かれるように見える。もっと、親子の対話が出来ていればと思うことが多い。

きょうだい会とは荷物の整理をする所ではないか?
・鬼の形相で弟の支援の受け入れ先を探していた時期があった。他のきょうだいはどんな気持ちでいるのだろうと思い、きょうだい会に参加して来た。きょうだい会の存在価値は何かについても自問自答して来た。今では親の気持ちを理解出来る余裕も出来、いらだちは無くなった。それぞれが抱える状況は多様だが、結局きょうだい会とは「心の荷物の整理をする所」ではないのかと思っている。
・過去の50年を振り返ると、障がい者をめぐる社会の変化は随分あったが、根本的な所では変わっていない気がする。きょうだい会に参加して直接、課題解決につながることは多くはないが、気持ちを吐き出す場、聴いてもらえる場としての存在価値はとても大きいはずだ。

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皆さん、例会の余韻から終了後も会場の外で、しばらく立ち去りがたい雰囲気が漂っていました。

また参加したくなった時、時間の出来た時、気軽に例会をのぞいて見て下さい。初参加以外の方は申し込み不要です。

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参加者から感想やメッセージを頂いていますので、紹介しておきます。

・ごきょうだいや親御さんの立場の方がたくさんご出席される中、同席をさせていただけましたこと、大変感謝申し上げます。年代も違い、「きょうだい」としての受け止め方も異なる皆さまからそれぞれのお話を聞かせていただく中で、全て共感はできなくとも、同じきょうだい同士だからこそ尊重し合えるような居心地の良さが、きょうだい会さんにはあられるのだな と強く感じました。 

・これまではきょうだいの支援の方向性について考え込み焦ってばかりでした。しかし、参加者の方が家族会は「荷物を整理する場」とおっしゃっていた通り、参加者の方との交流を通して自分自身の気持ちに少し整理がつけられた気がします。焦らず自分自身の生活も大切にしようと思います。有難うございました。

・先日は、参加させていただき、ありがとうございました。今まで母親が、兄の身の回りの管理などをほぼ一人でしていましたが、その母親の体調が著しく悪くなり、父親も認知機能が衰え、別世帯であった私も単身になり・・・。そうすると、今まで「きょうだいとしての今後・老後」について見て見ないふりをしていた気がして、一気に不安になりました。ただ漠然とした不安の為、例会の中では始終しどろもどろでした。けれど他の先輩方から、参加していく事で今後の不安や心配を整理して行けば良いのだと言っていただき、また自分一人で背負う必要は無いとも伺い、とても気持ちが軽くなりました。
きょうだいについて、まだまだ踏み入れたばかりで、考えの至らない事ばかりですが、今後も参加させていただきご教示いただきたいと思います。


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あと、いくつかの報告と案内です。

・「全国きょうだいの会」に当会からも何名かの人が参加しています。10/2960周年記念事業として、親ときょうだいが本音で語り合う「パネルディスカッション」が東京で開催され、スタッフが一人参加して来ました。育成会や自閉症協会の役員クラスの方々も登壇され、盛況だったようです。きょうだいと親の間で、全国の会レベルで今までに無い交流が始まっています。

・京都市福祉ボランティアセンターから取材を受けました。月刊誌ボランティアーズ12月号では「きょうだい」をテーマに編集され、他のきょうだいの会も含め、当会の紹介記事も掲載される予定です。

・同じく京都市福祉ボランティアセンターの主催で、「当事者・当事者家族の思いを聴く会」が毎月、ひと・まち交流館で開かれています。次回は12/15(金)19:00~20:30に「障がいのあるきょうだい」のテーマで開催され、当会のスタッフが登壇します。

詳しくは、京都市福祉ボランティアセンター

     電話 075-354-8735  Fax 075-354-8738

          メール v.info@hitomachi-kyoto.jp

まで


               

                                                                                                                            




  


2023年9月26日火曜日

9月9日(土)京都きょうだい会例会のご報告

 参加者:計12名(対面にて)

 性 別:男性9名、女性3名

 年代別:20代2名、40代3名、50代4名、60代1名、70代2名

 居住地:京都府9名、大阪府2名、滋賀県1名

 参加回数:初参加者4名、2回以上8名

 参加者の立場:きょうだい8名、親3名、学生1名

 障がい種別:知的障がい、身体障がい、発達障がい、精神障がい



例会が近づくにつれて初参加の申し込みが重なり、心苦しかったのですが一部の方には参加をお断りした事態となり、申し訳ありませんでした。次回には是非参加をお願いしたいと思います。
初参加者の中には、父親を誘って参加されたきょうだいの方や卒業論文協力の依頼に来た学生さんもおられました。
今回は、相談先が分からず困っているという話題は出ず、「障がいのきょうだいを持ったことでぶつかった体験を振り返り、きょうだいとしての自分をどう受け止めればいいのか」といった心理的な話題が中心となりました。親子関係についても、これまでになく掘り下げられたように思います。

特に印象に残った発言を拾ってみますと
・周囲から良い子を期待され、強く見せている自分と現実の自分とのギャップを感じ、長い間自己肯定感が持てず、苦しんで来た・・・
・きょうだいとしての体験を含めて様々な逆境を乗り越え、常に戦闘態勢に入って生きて来た。しかしそんな自分の中にある「認知の歪み」が最近気になり、何とかしたいと思っている・・・。
・今まで気づかなかったが、親として初めてもう一人の子どもであるきょうだいの苦悩を知る機会を得て、今日は貴重な時間だった・・・。
・親の立場の人の声を聴けて、自分の親のことに想像をめぐらせる機会となった・・。

など、胸の奥に閉まって来た言葉が続き、孤独な立場に追い込まれている障がい者家族の姿が伝わって来ました。

これらをふまえ、自分を客観的な目で見直してみることや、自分自身の世界を大切にすることの大切さなど、体験に根差した様々な励ましや助言がありました。

そしてきょうだい会の歩みや意義、あるべき姿についても議論が及び、
・例会に来ると、自分だけじゃないと思える事がありがたい。
・きょうだい会は自分の荷物を整理する場所なのではないかと思っている。
・京都では40年の会の歴史があるが、前半の20年は試行錯誤の連続だった。きょうだい支援の大切さが取り上げられる時代になり、会のかたちが出来てきて、本当に良かった・・・。

など会をめぐっての話題が出て、「きょうだい会ってなんやねん」ということについても掘り下げられた時間となりました。


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参加者から以下の感想を頂いていますので、紹介をしておきます。

・今回初めて例会に参加させていただきました。私は10代の頃が一番苦しく、当時父は単身赴任で土日しか帰って来ず、母も平日は毎日遠くまで働きに出ていました。当時は兄に障害があると家族の誰も気付けなかったので、少年期までとても優しかった兄が変わってしまったことが悲しく、その兄からの暴力もあったので毎日が地獄のようで暗黒の日々を過ごしました。「誰かに助けてほしい」「相談したい」「兄のことを友人に打ち明けたい」と思っていましたが、母から「人に言わない方がいい」と強く言われ、友人や先生、周囲の人には誰にも言えず、隠していることも苦痛でした。毎日、心が悲鳴をあげているのにその叫びを強引に押し殺し、自分のイメージする「良い子」を演じ続けた結果、自分が本来の自分ではなくなってしまったという感覚になり明るい未来が見えなくなりました。
当時の私には「きょうだい会」のような安心して本音が話せる居場所や専門的な心のケアが必要だったと今、思っています。参加者の方の感想で「浄化されたような気持ちになった」と言っていただけて私自身もその優しい言葉に心が救われ、辛く苦しい気持ちを吐き出してもきょうだい会では温かく受け止めてもらえるのだと安心し、気持ちが軽くなりました。参加された皆様、本当にありがとうございました。今は自分の病気の治療に専念し、前向きに一歩ずつ自分の人生を生きていこうと思います。またいつか、皆様にお会いしたいです。

・参加して良かった一番のことは、同じ思いをしてきた人に会えたことです。自分はこれまで思いのほか孤独であったことに、改めて気づきました。
いつも「障害者の家族は、やさしく愛に満ちた聖人であらねばならない」プレッシャーを感じながら生きていました。不安や不満や愚痴をもらせば、「そんなふうに言ったらきょうだいががかわいそう」と言われた経験、思春期にグレかけた時には、きょうだいの障害者施設の園長から「障害があるきょうだいの分ももっと立派に生きなければならない」と言われた時以来、誰にもつらいと言えずに数十年きました。
正直に話していい場があるということ。それがどんなに心の平安につながるかということをきょうだい会のみなさんのおかげで知りました。
感銘を受けたこともたくさんありました。糸井さんと梅田さんが、きょうだいがお亡くなりになってからも活動をつづけておられること、参加者がいない月日が続いても、やめずに続けてこられたこと。ご自身の苦悩を越えて、ひとの役に立ちたいと考える、そのように至るまでのお二人の年月に思いを馳せました。わたしもいつか、そんなふうになれるまで成長したいと願います。
きょうだい会のみなさんはいろいろ熱い思いを秘めつつ、クレバーに冷静に討論されています。同じ思いをした人たちの冷静な意見を拝聴し、きょうだい会とは、自分を客観視できる場であると感じました。
また、司会進行のような役割をされる方もおられ、話題が偏りすぎないようになっていたり、いろんな立場のかたのお話が出るよう工夫されているところもよいなと思いました。

・きょうだい会は「今」の自分を見つめなおすきっかけの場だと最近考えるようになりました。参加した回を思い返し「当時」と「今」を比べながら、自分のこと、家族のことを自分がどう考えているのか、いたのかが見えてきました。きょうだい会に参加する前は全てがモヤに包まれて、正体不明の悩みを抱えてて、自分はしんどかったなと思い返しています。常連さんの「当時」と「今」の話をもっときいてみたいですね。

・40代後半の引きこもりの状態にある障がいの息子をもつ私は、いよいよ「8050」問題を突きつけられており、今や「終活」最大の課題となり、そのことは一日として脳裏から離れません。初参加の娘に促されて親の立場で参加させて頂きましたが、娘や他の参加者の方の話を聞いて、今更ながらきょうだいの悩みの深さに愕然とする思いでした。娘には「お兄ちゃんのことは気にせず自分の好きな道を行きなさい。将来もお兄ちゃんの面倒をみることなんて考えなくていいから。」と話してきたつもりですが、その言葉が逆にプレッシャーとなって娘を苦しませていたとは・・・。気付かなかった自分を恥じるばかりです。息子のことは色々な支援先に何度も相談はしてきましたが、本人の強い拒否により息子への直接の接触や支援には至らず、心が疲弊してしまいました。しかし、皆さんの話を聞き、再びあきらめずに行政の窓口に相談に行こうと思います。皆さんありがとうございました。

・障がい者の親なきあとをテーマに活動しており、親の立場プラス支援者や専門家という立場でも参加させて頂いております。今回は親の立場での参加が私を含め3名いらっしゃいました。きょうだい同士での語り合いはもちろん、親御さんも参加出来る環境が整ってきたのは、とても良い傾向だなと捉えています。

・きょうだい当事者の方やその親御様、支援者の方々のお話を直接自分の耳できくという機会は大学にいるとなかなか無いことだったため、とても良い経験となりました。「得体の知れない荷物」や「爆発物」「知ってほしいけど知ってほしくない」など、たくさんの印象深い言葉が残っています。今回させていただけた経験をこれからの自分に活かせるよう努力しつつ、きょうだい当事者の方に対して何かできることはないか、考えていきたいと思います。

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今回は4人の初参加があり、どうなるものかと進行を心配しておりましたが、各運営スタッフの協力のもと、一体となり、良い雰囲気の会合になったと思います。その上、コロナ流行以来の創成期メンバーの参加もあり、2次会(懇親会)まで行って盛り上がりました。初参加の方々が今後も例会等に参加して下さる事を願います。

親の団体もきょうだいたちの声に関心を寄せる時代が来ているようです。全国きょうだいの会では、育成会や自閉症協会等各団体に参加を呼びかけ、10月29日に東京で親ときょうだいそれぞれが本音を語り合うパネルディスカッションを企画しています。
また前回参加した人から情報をメールで頂き、滋賀県でもきょうだい支援の取り組みを始めたいという人がおられるとのことでした。
きょうだい支援の取組が、少しづつですが進んでいることを心強く思います。

次回例会は11/11日(土)午後6時~9時にいつもと同じ喫茶みどりで開催予定です。
皆さんのご参加、お待ちしています。