“一泊交流会”に全国から25名集まる‼
旅の宿 葆光荘(大阪市天王寺区)
主催 でてこいランドin大阪実行委員会 (関西地域のきょうだいの会)
2か月ごとの例会とは別に、一泊交流会を9月に開催しました。かつては、京都の「でてこいランド」(京都府の下山)を会場にしていましたが、2019年の秋に京都「でてこいランド」が閉鎖。その後、様々検討がされ、大阪天王寺駅すぐの葆光荘にて開催することに。そして、きょうだいの会の宿泊交流会と言えば『でてこいランド』と、名前が残りました。2回目の今年は、北海道、群馬、東京、滋賀、京都、大阪、兵庫、福岡から総勢25名。常連さんも初参加の人も、先輩方も若者も。それぞれの持ち寄りに、お土産で持参された地元のお酒やお菓子も広げて、遅くまで飲んで喋って。みな、兄弟姉妹に障害があるきょうだい達。そしてきょうだい支援に関心のあるお父さんの参加もありました。
ヤングケアラーという言葉を耳にする機会が増えましたが、私たちはロングケアラーです。ダブルケアラー、トリプルケアラー、グリーフケア…もはや〝きょうだい〟の一言では言い表せない様々な背景も持ち合わせつつも、おたがいが〝きょうだい〟であることの安心感で過ごせる貴重な時間、優しさの詰まった交流会でした。
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参加された方々から、当日の雰囲気が雄弁に伝わる多くの感想が寄せられています。
・大阪府 30代 男性
今年の7月に「日本のチカラ」を拝見いたしました。この番組は、障がいを兄弟にもつ方々の苦悩や思いを語られていた番組でしたが、その中できょうだい会の存在を知りました。私も重度の知的障がいの弟がいるのですが、皆さんが過去に経験されたお話にとても共感し、自分だけではなかったんだという思いで当時を思い出し、同じ思いをされている方がこんなにもいらっしゃるんだと、なぜか涙が止まりませんでした。これから「きょうだい会」に参加して、同じ境遇だった方と繋がり、色んな思いを共有しながら明るい未来を語り合いたいって思いで、きょうだい会大阪、全国のきょうだいが集まる【でてこいランド】に8月9月と参加しました。皆さんとそれほど言葉を交わさずとも共感しあえて、話が尽きずのあっという間の楽しい時間でした。みんながありのままの気持ちを自由に表現できる雰囲気がとても居心地が良かったです。今まで障がいを兄弟にもつ仲間がほとんどいなかったですし、辛かった気持ちを共有共感する機会がなかったので、今まで長年きょうだい会の運営や活動の為に尽力されてきた方々に本当に感謝です。
当時辛い思いをした10代20代でしたが、人生を諦めなければ明るい人生や希望が待っていることを当時の自分自身に伝えるかのように若い世代の力になれればと思っております。今回は本当にありがとうございました!
・兵庫県 60代 女性
18年位前に「全国きょうだいの会」に入会したものの、昨年春頃までは「つくし」を拝読するだけの幽霊会員だった私でしたが、今年9月14日ついに噂の「でてこいランド」に初めて日帰りで参加致しました。参加後の気持ちを言葉にしますと・・・ハリセンボンの近藤春菜さんのような人が、姪っ子的に出迎えてくれて、「おばちゃーん。ゆっくりしていきなよ~」と言ってくれる感じ。親戚の集まりのようだ~田舎の実家だ~ホッとする場所~居心地が良い~。皆さん初めて会う人もいるのに、ずいぶん前から知っているような気持ちだぁ~。上手く話そうとしなくてもありのままの自分で良いんだぁ~。
最後になりましたが、葆光荘の女将さん、従業員の方々、お世話になりました。そして何よりも「でてこいランド」運営委員の方々、暑い中お疲れ様でした。本当にお世話になりました。有意義な楽しいひと時を持てました。心より感謝致します。
・兵庫県 60代 男性
2日間とてもお世話になりました。感謝しております。以前よりずっと噂に聞いていた「でてこいランド」。何度もお誘いも受けていましたがなかなかチャンスがなく今回初めて参加できました。初対面の方、お久しぶりの方、スタッフの皆さまはじめ参加者の皆さんのアットホームな雰囲気で直ぐに馴染むことができました。きょうだいの集まりの最大の強みですね。遠くから参加されている方も居てビックリしました。個人的には、自分の引き摺っていた一番しんどかった頃(弟が4年前に病死とその治療方針に悩んだ時)のことを打ち明けたり、それをしっかりと初対面でも受け止めてくれるきょうだい仲間に出会えて(当時も神戸きょうだい会の皆さんに支えてもらえていたのですが)心がとても軽くなりました。宿泊イベントは運営側はとても大変だと思いますが、やはり時間を気にせず、夜を通して本音で話ができることはとても有意義だと感じました。
神戸しあわせの村で開催するLoveクローバーの会も、宿泊をメインに考えているイベントです。神戸きょうだい会ともども今後ともうまくコラボできればと思っています。
・大阪府 50代 女性
先日はありがとうございました。初めて「でてこいin大阪」に参加させていただきました。日常や、目の前の課題に振り回される日々の中、気兼ねなくそれを開示できて、お喋りも楽しくてありがたい経験でした。終わってみると、きょうだいの話をきょうだい会以外でするのは私に取ってハードルが高くて、それなら透明になって黙っておこうと抑圧をかけていた自分に気づきました。お誘いいただいて本当にありがとうございます!今後ともよろしくお願い致します。
・京都府 50代 女性
年齢も職業も様々な背景も違うけれど、余計な説明がいらない、お互いが『きょうだい』であるという安心感。1人1人が抱えていることをさらけ出せる。私も多くを説明しなくても共感してもらったり、忌憚ない意見に抵抗なく聞くことができる。これも家族とはまた違う、『きょうだい』であるという安心感がもたらす効果なんだと思いました。私は、例年は子どもも一緒に連れてきていたのだけど、今年は一人で身軽に参加したおかげで、十分に自由で楽しい時間となりました♪年に一度、地域を越えてリアルに会い、気兼ねなく喋り尽くせる場があること幸せです。それから各地のきょうだい会活動をされている様子も聞き、色んな形があって勉強になります。私の場合、遠方に住む母や弟のこと。母の意思があり思うように進まないジレンマ。そして万が一、自分が動けなくなったり亡くなるなどしたら目の前の夫や娘に影響するかもしれないという不安。同じように考えていらっしゃる方がいることで〈自分一人ではない〉ということに安堵したり、すでに親なきあとの対応をされた先輩たちの話に深く考えたり。楽しさも学びも含めて皆さんの優しさの詰まった交流会だったと思います。
でてこいランドの名前が残っているのもいいですね。初参加の人も前からの知り合いみたいに参加できるのが、この宿泊交流会の面白さなんだと思います。様々な境遇にいるきょうだいたちが、これからも気軽に各地のきょうだい会と出会ってくれたら良いなぁと思います。
・兵庫県 40代 女性
前回のでてこいランドへの参加が、初めて自分の意思できょうだいの方と対面した場面でした。それから一年半経って今回のでてこいランドに参加して、その間にきょうだいの方々と出会えたことや考えたこと、経験してきたこと等を思い出しながら、しみじみとお酒を呑んでいました。きょうだいという共通の立場を持つ方にお会いすると、子供時代から家族のケアの渦中に晒されながら、決して親とは同一化出来ない感情や悩みを抱えて生きてきた経験を共有出来る気がします。初対面でもどこか身内感があって、心が寄せられると思えるところに魅力を感じています。でてこいランドでは、そんなきょうだいの方々と一緒に、気張らず時間を気にせず、気が向いたらお酒を飲みながら、誰かの話を聴かせていただいたり、自分の話を聴いてもらえることが出来て、とても楽しかったです。
きょうだいあるあるの悩みや、あるあるの影響を受けて更に自分の個性も絡まり、独特だけど深刻な悩みをお酒を飲みながら話すと、同じ立場の人が真剣に耳を傾けて聴いてくれて、言葉を返してくれる。その体験が、自分でぐるぐる考えるループからどこか抜け出せる感じがして、面白い感覚だなと思いました。きょうだい共通の悩みと、同じきょうだいだけど違うところ、どちらも認められる居場所があれば、安心感と同時に、自分のために何かをしたり新しい世界へ踏み出すことが出来るのではないかと思います。きょうだいという「孤独」で「可哀想」で「世間からは他人事」で、「苦労」で「困った」テーマを抱えて生きてきた自分から、これから自分は何が出来るのかな?という気持ちでお話しをさせていただける時間もあり、楽しい時間を過ごさせていただきました。でてこいランドがこれからも続き、また続けていければ良いなと思います。
・京都府 50代 男性
多くの参加者がいらっしゃる中、唯一親の立場での参加でした。普段の例会後も最近は懇親会で交流を深めるようにしていますが、やはり、泊まりのイベントでお酒を酌み交わすことで、いつもの何倍も距離が近づくと感じます。交流会の前半は、ほぼほぼみなさんの長〜い自己紹介で終わってしまいますが、みなさんの人となりが良く知れて大変良かったです。
支援者や専門家と言う立場もありますが、親の立場の私が、ものすごくナチュラルに溶けこみ、交流したり、意見を交わせることこそが、とても意味のあるとことだと感じました。来年も、是非とも参加したいと思います。色々ご準備ありがとうございました。
・東京都 60代 男性
まあ、一言で言うと騒々しいくらいにぎやかでした…あっ、こりゃ失礼。明るく元気で、そして勇気をもらえる宴でした(遅いか)。僕もあいさつさせてもらいましたが、何たって僕の話は聞いちゃいない (僕は会長なんだけど…)。リーダー格のUさんは、去年酔っぱらって椅子から落ちて尻もちをついたので、今年はきちんと背もたれのある椅子を使っていました…。ちゃんと学習しているなと、妙なところに感心してしまった自分がそこにはいました。そのUさんからは「Hさん、もっと図々しくいかないとあかんよ。」とはっぱをかけられ、またその他の参加したきょうだいのみなさんからも元気や勇気をもらいました。何度も書いてきましたが、こういう障がいのきょうだいのことも含めて、何でも言い合える会は必要で、日本全国に拡がってくれればと思います。自分は一人じゃない、こんなに仲間がいる、そう感じてもらえれば…。それこそがこのでてこいランドが続いている秘密でもあると思います。きょうだいたちは日本全国に居ます。勇気を出してきょうだいの会に参加してほしい、そういう思いを強くした宴でもありました。最後になりますが、この会を準備・運営してくださった京都・大阪等、関西地域のスタッフの皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。感謝申し上げます。いつかお互い余生を送るようなことになったら、有馬温泉にでも一泊旅行しましょう。きっとそれはまだまだ先の話だと思いますが…。何はともあれ、今後ともよろしくお願いします。
・大阪府 60代 男性
今年も広くは北海道や福岡、会長も東京から参加してくれるなど、多くの参加者がありました。でてこいの伝統を大阪の地でも引継ぎ、特に何を決めるでもなく、ただそれぞれが話をし、話を聴く。それがマンツーマンであったり、グループになったり、グループが分かれたりと自由な雰囲気は相変わらずと思わせる。自己紹介の際における司会者の話の進め方、チャチャの入れかた、周りからのツッコミなども相変わらずである。深刻な話の中にも、分かり合えるという信頼感が根底に流れているという雰囲気は安心して心情を吐露できるものがある。今後も引き続き開催してほしいと感じているところである。
・大阪府 50代 女性
今回は自己紹介シートを利用することで、その人となりを知ることができて、テンポよく自己紹介が進んで良かったと思います。きょうだいの障がいや、悩みを話すことももちろん大切ですが、自分自身が今ここを楽しむ、この経験がこれまでの私には欠けていたような気がします。周りの役割期待に応えて喜んでもらえることが嬉しくもあったのですが、私自身は楽しくなかったんだと改めて気づきました。これもきょうだいあるあるかもしれませんね。遅れてやってきた修学旅行を楽しむかの様に、今、青春を謳歌している気分です。参加されたみなさま、ありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています。
・兵庫県 70代 女性
昨年に引き続き泊りで参加させていただきました。今回はYさん発案の自己紹介シートのおかげで自己紹介がスムーズに進みました。しかもそれぞれがより一層深い話しをされたのが良かったと思いました。しかし、恒例の子どもさんの参加がなかったので少し淋しいものになりました。Iさんと一緒に受付と会計を担当しましたが集中力が落ちてきているので、スタッフを若い方々にバトンタッチできれば有難いと思いました。この会のニーズが大きいので今後も継続することを願います。
(編集の都合上、頂いた原稿の一部を加工修整しております。ご容赦下さい)
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「でてこいランド」が大阪で復活して2回目の一泊交流会でした。
それぞれが体験して来たことや心の変遷を口に出し合える機会は貴重な時間だったという感想を多く読ませて頂き、励まされました。個別にも参加者同士のつながりが深められている様子を拝見し、開催して良かったなと改めて思いました。
きょうだい支援のことにようやく光が当たり出して来た昨今ですが、まだ緒についたばかりです。モヤモヤを抱えているきょうだいにはまだまだ届いていないのが現状です。
地道ではありますが、横のつながりを作って行く活動の意義は想像以上に大きいものがあると思っているところです。