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2018年9月17日月曜日

9月8~9日(土日)京都でてこいランド1泊2日交流会の報告

気が付くと今年で20回目になります。参加者は16名で、例年に比べれば少な目でしたが、地域的には広範囲からの参加が見られたのが今年の特徴でした。北海道・宮城・群馬・東京・石川・京都・大阪・岡山・広島・福岡から集まって頂き、皆さんの心意気を感じました。また、参加出来なかった人の中には、体調不良の他、災害に伴う仕事の影響でという方が複数おられました。仕事に向かう途中のあわただしい中、メッセージとジュースをわざわざ差し入れに来て頂くというサプライズもあり、きょうだい同士の交流の場を求める人が多いことに感動しました。






京都きょうだい会では毎年この時期、全国のきょうだいに呼びかけ、一泊交流会を開催しています。場所は、京都府丹波地方の山里にある「出てこいランド」(貸し切りの宿泊施設)で、自然に恵まれた環境の中にあり、きょうだいの原点を見つめ直すのに良い機会となっています。




初日は夕食の時間から始まり。参加した動機や家族背景などの自己紹介から始まり、近くに座った人との思い思いの交流が始まります。きょうだいとしての共通体験があるので、初対面同士でも前置き無く話がはずんでしまうのは不思議です。一人一人の方にあふれる思いがあり、話は尽きず、いつのまにか時計を見ると深夜の2時半という人も多くおられました。




2日目は7時前からみんなで手分けして、朝食の準備や片付けを済ませた後、9時過ぎから12時まで、小グループに分かれてディスカッションの時間を持ちました。前日に交流が出来ているので、話も深められます。今年は、「親亡き後をどう考えるか」あえてテーマを決めない「フリートーク」の2グループに分けました。


「親亡き後・・」のグループの参加者は、すでに親を亡くした世代・将来その時期を迎えるであろう世代・親の立場でもあり仕事を通じてもこの問題に関心を持っている方・卒業論文に取り組もうとしている学生さんという構成メンバーでした。見えて来たことは、親亡き後に一定の保護者役割が求められるとしても、きょうだいの生活が犠牲にされるものであってはいけないこと、現状は親子間で情報共有が出来ておらず、不安を抱えているきょうだいが多いこと、その為関係機関による情報提供に向けての家族に寄り添った支援がもっと必要である・・・ということでした。


「フリートーク」の参加者は、きょうだいの立場の方を中心に、大学生から70代までと年齢層が幅広いメンバーでした。福祉職に就いたきょうだいの仕事での葛藤や、実家における障害のある弟のテリトリー意識が強いためにきょうだいが自分の子どもを連れて帰省することの難しさ自分の子どもに「いとこ」を作ってあげられないという思い一人暮らしをしていても弟に関する相談事で母親から頻繁に電話が掛かってくること等、様々な話題が挙がっていました。




全体の報告とは別に、一人一人にそれぞれのまとめがあり、それこそが大きなことだと思っています。参加者からの感想を頂いているので、紹介します。


今年もありがとうございました。毎年、恒例行事として参加させて頂いており、楽しませて頂いております。ここに参加する意味として、小さい事も大きい事も何でも話出来ることが、すばらしいと思います。40代 男性)

今回は、人数的には少なかったですが、この気候の中、参加された皆さんは非常に「熱い」方ばかりでした。分科会は「フリートーク」でしたので、自由にいろんな事をしゃべれて良かったです。本当に中身が濃い今回の「でてこいランド交流会」でした。60代 男性)

3年越しの思いで来れて、本当に良かったです。なかなか地元で、このような機会がないので、大変貴重な時間でした。私はもう、親亡き後の現実を体験している世代ですが、自分の通った道、そうでない道も含め、今を悩み、苦しみ、乗り越え生きている年下の大勢の方々、更に先輩方にお会いでき、お話できた事に大感謝です。きょうだい会は障害者のきょうだいの立場の会とともに、ここに同じ境遇のきょうだいが大勢いる事(連帯というか・・・)を強く不思議に感じた一泊でした。有難うございます。又来ます。60代 女性)

初参加ですが、すぐに皆さんとうちとけることができ、どんな話をしても共感して頂ける安心感がありました。親亡き後について話が出来、アドバイス頂けたことが良かったです。時間を気にすることがないのも良かったです。親から引きつぐ時の情報の少なさ、親自身も情報が無い、それが漠然としたきょうだいの不安につながっていると思います。きょうだい支援を研究されている学生さんも参加され、興味を持って下さる方がいることを心強く思いました。きょうだい支援として、後見人制度や家族信託などを勉強できる場があればうれしいです。(60代 女性)

二日酔いでしたが、楽しい話が出来ました。親亡き後のグループで、親の話をした後に、自分が死んだ後のきょうだいの話や、自分の息子についての話になったのですが、私が40代ということもあり、考えた事もなかったので、すごくためになりました。楽しかったし、良縁に恵まれたので、来年も参加したいと思いました。ありがとうございました。40代 男性)

初めての参加で非常に緊張していたのですが、あたたかい雰囲気で、元気がでました。今自分が悩んでいることを、すでに乗り越えた方と話すことができる場は貴重だと思います。また機会があればぜひ、参加したいです。ありがとうございました。20代 女性)

初参加でしたが、新たな出会いもあり、楽しく過ごすことができました。「きょうだいあるある」にどっぷりつかっていることを再確認しました。改めて自分のことを見つめ直すきっかけになってよかったです。(20代 女性)

親の立場で参加させて頂きました。今回、強く感じたのは、親きょうだいに向けての情報開示です。
・障がいのお子さんが今、どういう支援をうけているのか?
・財産の状況 どのようにお金を残す準備が出来ているのか?
・親の預金 障がいのお子さんの預金
・ケースバイケースでの連絡先 などなど
きょうだいさんは、「知らない」ことで、不安を感じている部分が大きいと感じました。きょうだいさんがどう考えるか、どう関わるかは別として、少なくとも情報は共有することは、非常に重要だと思いました。40代 男性)

子どものきょうだい支援をする立場、及び卒業研究の関係で、今回参加させて頂きました。インタビュー等を通してきょうだいの方の話を聞かせて頂くなかで、家族の各々の距離感の難しさ、親ときょうだいの間に起こるズレ、きょうだいとしてどこまで役割をもつべきかなど、様々な場面で葛藤が生じるのかなと思いました。特に親ときょうだいが面と向かって話し合うことの難しさについては、第三者が仲介の様な形で関わるような支援もできるのかなと思いました。障害年金や保険など考えるべきことが多く、それについての知識不足のために、自分自身理解が追いついていけなかったところもあったので、その辺りの知識についても今後勉強していきたいと思います。(20代 男性)


あっという間に時間が過ぎ、心残りがありましたが、各参加者が「あふれる思い」を言葉にされ、熱心な交流が交わされた2日間でした。互いの語り合いや傾聴の中で得られたものが、各自の今後の力になればと思います。セルフの施設の為、食事の用意や洗濯、後片付け、ゴミの整理などが必要でしたが、皆さんのご協力のおかげで無事に予定を終えることが出来ました。素晴らしい交流の場が持てたことに感謝しています。今後もこのような場を継続出来ればと思っております。

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